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『33年後のなんとなく、クリスタル』- 田中康夫-繊細な色彩描写,いまも変わらぬしつこい観察眼

2015-02-14 05:27:24 | 男ぷり

【字幕】2015年1月11日 BS日テレ「久米書店」

 

 『33年後のなんとなく、クリスタル 』の3,4ページ目にして「ヤスオ」や「脱ダム」のフレーズが登場、なるほど主人公の僕は田中康夫,その人なのであろう。

 


 33年前の「なんクリ」。日本の少子高齢化時代の幕開期における若者像を描いた青春小説だった。
 あれから33年。あと数年で高齢期を迎えるクリスタル世代に差し迫りつつある現実の社会。それを描写したのが本作,『33年後のなんとなく、クリスタル』である。

 この『33年後のなんとなく、クリスタル』 は,愛犬ロッタの世話をする僕のシーンから始まる。3、4ページ目にして「ヤスオ」や「脱ダム」のフレーズが登場,そう,主人公の僕は田中康夫なのである。繊細な色彩描写,窓越しの交差点に見えるハチ公バスの進路まで細かく解説する,そのい観察眼は,33年後の今も健在だ。

 そしてなにより旧作の『なんとなく、クリスタル』に重ねた表参道のラストシーンはほろ苦く,切ない。(河出書房新社・1600円+税)




田中康夫 ---------------------------------------

1956年4月12日,東京都武蔵野市に生まれる。本籍地は静岡県庵原郡富士川町(現・富士市)。父の田中博正氏(心理学者)の信州大学繊維学部教授に就任で,1964年4月に家族全員で長野県上田市に転居。その後1966年には松本市に引っ越す。

1975 年3月,長野県松本深志高等学校を卒業。東京の駿台予備学校での浪人生活を経て一橋大学に入学。大学在学中に執筆し,作家デビュー作となったのが『なんとなく,クリスタル』(文藝賞受賞)。

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