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大学生が高校を聴講-埼玉県「高大連携」-何かおかしい

2010-07-26 07:02:19 | 大学教員として
◇苦肉の策-大学生の学力不足対策

 本年4月に新設の埼玉県立吹上秋桜高校(昼夜開講、単位制の定時制高校)など3校と大東文化大学、ものつくり大学との間で教育連携の協定が結ばれた。

「高大連携」自体は珍しくないが、協定内容で目を引くのは,「大学生が必要な教科・科目の基礎を高校(吹上秋桜高校)で聴講生として学習」するという点である。学生は高校生と一緒に授業を受け,授業料は1科目年間1750円。

 いま,大学生の学力不足が多くの大学にとって大きな悩みのタネになっている。少子化と大学定員の増加で大学はすでに全入時代を迎えている。推薦入学の一般化,ゆとり教育によるカリキュラムの簡素化もあって、高卒程度の学力もない大学生が増えている。いったん入学を認めた以上は,教育の責任は大学にある。

 そこ大学入学後に,「リメディアル教育」と称して,「基礎教育のやり直」に取り組む大学が増えている。学生の学力不足を補うため、補習授業を実施する大学もある。文部科学省によると、1996年度の実施大学は572校中52校(約9%)であったが,2007年度は742校中244校(約33%)が実施している。
 こうした事情が,「大学生が必要な教科・科目の基礎を高校(吹上秋桜高校)で聴講生として勉強」するという,教育連携の締結の背景にある。

 高校の授業にどれほどの大学生が集まるのかが注目される。だが,大学生が高校で学び直すという現実はおかしくないか。教育制度、学校制度の根幹の見直しが必要な時期に来ているのであろう。


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