私が生まれ育ったのは、東京都新宿区
私の親戚には、通称、向島のおじさんおばさん、本所のおばさん、かわむこうのおじさんおばさん等々
色々な方々がいて
今になって思えば、中には、粋な江戸言葉を話す人もいました
言葉は、私が女優という仕事をするようになって
今更のように、その素晴らしさ、難しさを思い知るのですが
せっかく、江戸言葉の記憶がある私
それをしっかり自分の財産にしなくてはと
常々、思っていました
今日、劇団の勉強会で、江戸言葉を学べる機会があり
ここぞ、と思って勉強してまいりましたが
痛感したのは、不断の努力
毎日の積み重ねがあってこそ、学ぶこともできるんだと、痛感した次第です
おかげさまで、日常の勉強も、ロコ企画も、やっていて役立つ事ばかり
あらためて、言葉の面白さを自覚して返ってまいりました
江戸っ子は、「ひ」と「し」が上手く言えない
「火鉢に火をおこして」…なんて言うのを、「しばちにしをおこして」、って言う
そう言えば、私の本名は博子、と言いますが、向島のおばさん達は、私を呼ぶ時「しろこ」でした
「するってえと、なにかい?」
なんて、言う言葉も、よく聞いていた気がします
言葉と言うのは、暮らしの中に生きてこそのものですから
言い方を覚えてまねしたって、青の粋な感じは出てこない
方言と言うのは、すべてそういうものです
あれは、文化ですから…
江戸という地方の、暮らしや風情が相まって
あの江戸言葉が、カッコよく響いて来るのでしょう
「あたしゃねえ、決めてんだよ。
ちゃんとした生き方して、ちゃんと江戸っ子んなって
カッコいい江戸弁をしゃべれるようになるって」
そうそう出来る事ではありません
「でも、ちょっとやってみっかい」