(2024.8.19)
Q&A 自分で増殖する新型ワクチン登場?
「体内でRNAが勝手にどんどん増殖する」という新しいタイプのコロナワクチンが国内で承認され、懸念の声が高まっています。当ホームページあてにも、「中止させることはできないか」という主旨の多数のメールが届いています。なぜ心配する人が多いのでしょうか?
アイデアは、すで10数年前に生まれたものです(文献1)。当時、mRNAでワクチンを作る研究は多くの研究者によって始められていました。しかし、天然のmRNAはすぐ分解してしまうため、実用化は困難視されていたのです。
そこで生まれたのが「ワクチンを注射をしたあと、体内でRNAがどんどん複製されるようにするばよいのではないか」という発想でした。ある種のウイルスは、自分自身の複製を作る遺伝子をもっているため、この部分も含めてワクチンにしてしまえばよいのです。ただしウイルスが丸ごと複製されてしまうと、感染が起こってしまいますから、必要なたんぱく質(新型コロナの場合はスパイク蛋白)だけが再生されるように、一工夫が必要でした(文献2,3)。
この技術に伴う不安は、まさにここにあります。理屈の上では、永遠にスパイク蛋白の複製が作られ続けることになるからです。自身の複製を作る遺伝子が専門用語でレプリコンと呼ばれていたことから、この新ワクチンの代名詞としても使われるようになりました。
レプリコンワクチン開発競争の先陣を切ったのは、英国のロンドン大学を中心とするグループでした(文献4)。すでに動物実験では、ワクチン接種後、21日目までスパイク蛋白ができることと、短期間の観察ではあきらかな副作用がないことが確認されていました。しかし、英国の研究者グループが行った予備的な臨床試験(第1相試験)では、予想していた効果を証明することができませんでした。
2023年11月28日、国内の製薬企業「Meiji Seika ファルマ」が申請していたレプリコンタイプの新型コロナワクチンが承認されたというニュースがありました。
すでに大規模な臨床試験(第3相試験)も行われています(文献5)。場所はベトナム、対象は計16,107名の成人で、追跡期間は最終接種後92日間でした。有効率は56.6%でしたが、重症例に限れば95.3%との報告です。算出方法はファイザー社が発表した論文のそれと同じでした。副作用は、注射部位の痛みや発熱などが中心で、ファイザー社のワクチンと差はなかったと結論しています。
この製品は、その後、国内でも臨床試験が行われています。対象者は828人、追跡期間が28日です(文献6)。ただし比べた相手は食塩水ではなく、ファイザー社のmRNAワクチンでした。最終結論は、中和抗体のでき方がファイザー社のワクチンに比べてそん色なく、心筋炎はこのワクチンで1例、ファイザー社のワクチンで3例だったとしています。
・・・mRNAワクチンによる健康被害を懸念する世界中の人々が注視しているのは、このようなデータではなく、「永遠に続くかもしれないスパイク蛋白の生成でヒトの免疫機構が破たんしたりしないのか」、「ヒトのDNAに損傷を与えないのか」ということではないでしょうか。
年余にわたる追跡調査や徹底した動物実験が求められるところですが、そのようなデータはいまのところ公表されていません。秘かに実験が行われ、真実が伏せられたりしていないのか、気になるところです。
【備考】 レプリコンワクチンの背景
同企業は、福島県南相馬市に同ワクチンの製造工場を準備していることもホームページ上で公表している。ただし、実際にこの技術を開発したのは、米国のベンチャー企業「アルクタス セラピューティクス」だ。また相馬市に工場をつくっているのは、mRNA関連医薬品を、世界中の製薬企業から請け負って製造することを目指す世界初の組織「アルカリス」。すでにワクチンの原液をつくる工場は完成し、経済産業省からの資金援助も受けて新技術を開発する施設の建設も始まっている。日本政府は、新型コロナ関連の医薬品開発に遅れをとったとの幻想にとりつかれており、mRNA医薬品を、半導体に続く周回遅れの国家戦略にしたいのかもしれない。それにしても、なぜ相馬市だったのだろうか。
【参考文献】
1) Geall AJ, et al., Nonviral delivery of self-amplifing RNA vaccines. PNAS, Sep 4, 2012.
2) Beissert T, et al., A trans-amplifying RNA vaccine strategy for induction of potent protective immunity. Mor Ther, Jan, 2020.
3) Bloom K, et al., Self-amplifying RNA vaccines for infectious diseases. Gene Ther, Oct 22, 2020.
4) Pollock KM, et al., Safety and immunogenicity of a self-amplifying RNA vaccine against COVID-19: COVAC1, a phase I, dose-ranging trial. Lancet, Jan 14, 2022.
5) Ho NT, et al., Safety, immunogenicity and efficacy of the self-amplifying mRNA ARCT-154 COVID-19 vaccine: pooled pahse 1, 2, 3a and 3b randomized, controlled trials. Nat Commun, May 14, 2024.
6) Oda Y, et al., Immunogenicity and safety of a booster dose of a self-amplifing RNA COVID-19 vaccine (ARCT-154) versus BNT162b2 mRNA COVID-19 vaccine: a double-blind, multicentre, randomised, controlled, phase 3, non-inferiority trial. Lancet, Dec 20, 2023.
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・転載終わり・・・・・・
そう、どうして相馬市なのか・・・
東日本大震災で居住していた人たちが出て行ってしまった土地を地上げして、こういった工場ができた、というのをTwitterで読んだ記憶がある。
(ホントかどうかは知らない)
しかし、常磐線に乗ってあの付近を通り過ぎて感じたのは、人気が無い・・・あながち、Twitter投降は外れていないのかな、と。
能登も同じような状況になるのでは・・と懸念している人もいる。
いや、政府が補正予算を能登に対して組まなかった時点で確定でとは思う。あちらは、スマートシティ構想の実現のためでしょうねえ・・・
話がそれたが
岡田先生のところに大勢の人から、中止にできないのか、との問い合わせがあるのだとか。
なんか、うれしい。
今日は、美容院でこのワクチンの話をしてきた。
私、10月は来ない、このワクチンが恐いし、接種した人と同じ空気はすいたくないんでね。
と。
え?といわれたので、私のブログ読んでみて、と伝えてきた。
とにかく、みなさん、知りません。
広げていかないと!