(写真)ロンドンのビッグ・ベン
エッフェル・タワーや自由の女神像に並んで世界で最も有名な名前の一つロンドンのビッグ・ベン時計塔が、女王の即位60周年を記念してエリザベス・タワーに名前が変わります。
86歳のエリザベス女王の在位60周年を記念して今月初めに行われた4日間の記念行事の後の火曜日に発表されました。
英国国会議事堂の一部である歴史的な搭は公式的にはクロック・タワーですが通例ビッグ・ベンとして知られています。ロンドンで有名なゴーンという音を奏でるタワーの中にある巨大な鐘です。
キャメロン首相は名前の変更を歓迎しました。「クロック・タワーからエリザベス・タワーへの名前の変更は、女王の在位60周年記念を認識するのにふさわしい。これは特別の君主への特別の贈り物だ。」と彼は言いました。
しかし、国民の反応は様々です。「ビッグ・ベンは非常に古くて象徴的よ。名前を変えることに何の意味があるの?世界中の人はエリザベス搭など理解しないでしょう。」とルーマニアの観光客のシオレッツさんは言いました。
銀行員のラボントさんは言いました:「悪いアイデアではないね。ともかくベンはタワーにしては変わった名前だよ。女王はそれに値するね。」
華麗な96メートルの高さのネオゴシック調の搭は金メッキされた4面の時計の文字盤が特徴で1859年に作られました。搭の上まで393の階段があり、ロンドンの政府機関のあるホワイトホール大通りの中央を流れるテームズ川の川沿いに設置されています。
名称変更は、保守党のエルウッド議員の提案で議会の権限で受け入れられました。
「議会下院の委員会は、女王陛下の治世60周年を認識するのにクロック・タワーをエリザベス・タワーに名称変更する提案を歓迎しました。それにふさわしい方法で実行できるように準備をします。」と下院の報道官が語りました。
60周年記念は、ここ数年の女王の人気の上昇を強調しました。過去300年以上で最も大きな艦隊をテームズ川に浮かべたり、スター達がずらりと並んだコンサートをしたりロンドン中を馬車で行進したりしました。
しかしながら、多くの英国人は党の名前の変更に反対しました。先月のYouGov世論調査では大半がクロック・タワーの改名の提案に反対で、わずか30%が賛成でした。
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ビッグ・ベンがエリザベス・タワーになるとは失望です。ビッグ・ベンというのはクロック・タワーの上に置かれている鐘の名称なのでクロック・タワーの部分がエリザベス・タワーになるだけだと政府は言っているようですが、ビッグ・ベンは塔も含めた印象があり親しみを感じます。だから私にはエリザベス・タワーは権威だけが目立つ親しみが持てない名前です。世論調査でも観光客にとっても人気がない名前は、たとえ女王に敬意を示すためとはいえ、変更しない方がよいと思います。
もっとも、今回の改名の前に、同じ即位60周年を祝ったビクトリア女王に敬意を表してそれまでキングズ・タワーと呼ばれていたタワーをビクトリア・タワーに名称変更した例があるそうで、それにちなんだもののようです。それにしてもやはりビッグ・ベンがいいです。