岸田総理 ニューヨーク証券取引所スピーチ
岸田総理のニューヨーク証券取引所(2022年9月22日)での発言は首相官邸ホームページにk掲載されている。
そこで岸田総理は「日本の経済界とも協力し、メンバーシップに基づく年功的な職能給の仕組みを、個々の企業の実情に応じて、ジョブ型の職務給中心の日本に合ったシステムに見直す」「これにより労働移動を円滑化し、高い賃金を払えば、高いスキルの人材が集まり、その結果、労働生産性が上がり、更に高い賃金を払うことができるというサイクルを生み出していく」と発言。
日本経済新聞は「ジョブ型へ移行指針、官民で来春までに策定 岸田首相」との見出しで記事を配信(2022年9月23日)。
岸田文雄首相は22日(日本時間23日)、ニューヨーク証券取引所(NYSE)で講演した。日本企業にジョブ型の職務給中心の給与体系への移行を促す指針を2023年春までに官民で策定することを明らかにした。
「年功序列的な職能給をジョブ型の職務給中心に見直す」と述べた。専門的なスキルを給与に反映しやすくして労働移動を円滑にし、日本全体の生産性向上や賃上げにつなげる狙いがある。
職務給は個々の職種の専門性や業務の難易度を重視する。年齢や勤続年数、職務の遂行能力を評価する職能給と異なる。
首相は各企業が事情に合わせて職務給を導入しやすくすると説明した。「一律ではなく仕事の内容に応じたジョブ型の職務給を取り入れた雇用システムへ移行させる」と語った。
転職が進む過程で失業者が増える事態を避けるための支援策も検討すると表明した。就業者が働きながら能力を高められるよう、デジタル分野などのリスキリング(学び直し)支援を強化する方針も示した。
読売新聞『年功給から「職務給」移行』
読売新聞は『年功給から「職務給」移行、転職・副業促進も…「新しい資本主義」概要判明』との記事を配信(2022年10月3日)。
政府が月末に策定する総合経済対策のうち、「新しい資本主義」にかかわる施策の概要がわかった。職務を明確にして専門性や能力を重視する「ジョブ型」雇用の普及に向け、仕事内容で賃金が決まる「職務給」の採用を促す。日本で長年続いてきた年功制の雇用形態からの移行を図る。
近く開かれる「新しい資本主義実現会議」(議長・岸田首相)で取りまとめる。
賃金について、日本企業では年功制の「職能給」を採用するケースが多い。中長期的に賃金水準を引き上げるため、働き方や給与形態を見直す姿勢を明確にする。成長分野に人材が移りやすくするため、副業を認める企業名を公表するほか、転職を積極的に受け入れる企業への支援を強化する。
こうした施策の具体的な進め方について、政府と経済界が来年6月までに指針を策定する。
日本経済の成長に向け、スタートアップ(新興企業)の育成にも力を入れる。起業を目指す若手人材を今後5年間で1000人、米国のニューヨークやシリコンバレーなどに派遣する。大学発の起業も促し、全ての国立大学から新規上場(IPO)を果たす企業が少なくとも1社は出てくることを目指す「1大学1IPO運動」を展開する。
岸田総理 新しい資本主義実現会議発言
岸田総理の新しい資本主義実現会議(2022年10月4日)での発言は首相官邸ホームページに記載されているが、岸田総理は「正規と非正規との不合理な待遇差を禁止する同一労働同一賃金の施行を強化」「フリーランスの方が報酬の支払い遅延などでトラブルに直面しないよう、取引適正化のための法案を今国会に提出」「来年(2023年)6月までに、労働移動円滑化のための指針を策定」などと発言。
本日、新しい資本主義の実行に向けての総合経済対策の重点事項について、取りまとめました。
まず、人への投資と分配です。短期的な賃金引上げに向けては、政府としては、来春の賃金交渉において、物価上昇をカバーする賃上げを目標にして、個々の企業の実情に応じて労使で御議論いただきたいと思います。
公正取引委員会には、中小企業の賃上げが可能となる環境を整備するため、転嫁拒否の悪質事例は、公表し、改善を強く促すなど踏み込んだ対応をお願いいたします。
加えて、非正規雇用労働者の待遇の改善を図るため、正規と非正規との不合理な待遇差を禁止する同一労働同一賃金の施行を強化します。
また、フリーランスの方が報酬の支払い遅延などでトラブルに直面しないよう、取引適正化のための法案を今国会に提出いたします。
中長期の構造的な賃金引上げのためには、来年6月までに、労働移動円滑化のための指針を策定します。リスキリング、すなわち成長分野に移動するための学び直しやセーフティネットの整備、年功賃金から日本に合った職務給への移行等を含め、この会議で議論を加速いたします。
キャリアアップのための転職については、相談を受け、一気通貫で支援する仕組みを整備するとともに、労働移動を受け入れる企業などに対する支援を実施いたします。現在3年間で4,000億円規模の人への投資支援について、5年間で1兆円へと抜本強化します。
次に、スタートアップの起業加速です。起業を志す若手人材を5年間で1,000人規模で、シリコンバレーや東海岸に派遣いたします。
スタートアップの振興のため、SBIR制度(中小企業技術革新制度)を抜本拡充するとともに、一定期間、経営者の個人保証を不要にする金融支援を創設いたします。
関係大臣におかれては、与党とも連携して、本日取りまとめた重点事項を経済対策等に反映し、着実に実行いただけますよう、お願いいたします。
新しい資本主義実現会議 芳野連合会長提出資料
第10回 新しい資本主義実現会議が2022年10月4日に開催。議題は(1)「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」の実施についての総合経済対策の重点事項(案)、(2)賃金・最低賃金の引上げに伴う転嫁対策・中小企業対策の強化。
配布資料の中で重要と思われる資料は次のとおりだが、連合の芳野友子会長は「成長分野への労働移動を否定はしないが、まずは、これまで以上に重層的な雇用対策や社会的なセーフティネットの整備が必要となる」「労働者自らが『移動』を望むような処遇や安定した雇用環境を整備することが重要である。そして同時に、その成長産業を『労働者にとって魅力的な産業』へと発展させることが必要である」「労働移動の促進という観点から、解雇規制や労働法制の緩和につながるような議論がなされることがあってはならない」と。
また、芳野会長は「我が国の課題の一つは、企業横断的な職業能力評価基準がほとんど整備されておらず、職種と熟練度に応じた賃金水準の社会的相場感がないことである。社会的指標が整備されれば、人材の確保・定着をねらう企業は賃金制度の調整を行い、労働者も社会的相場を念頭に置いた転職がしやすくなる。政府が力を入れるべきことは、こうした指標の整備であり、個別企業の賃金制度は職場の実態を踏まえて労使が決めるべきである」「かつて米国型の職務給を導入した企業もあったが、結局は日本の職場実態に合わず見直した経緯がある。『日本に合った職務給』とは何か不明である。誤解を生まない丁寧な説明が必要であり、抽象的な言葉だけが独り歩きし、雇用リストラや賃金抑制などにつながることがあってはならない」と。
新しい資本主義のグランドデザイン及び
実行計画の実施についての総合経済対策の重点事項
「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」の実施についての総合経済対策の重点事項(案)は第10回 新しい資本主義実現会議の資料2として公表されていたが、後日、「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」の実施についての総合経済対策の重点事項(最終版)が公表された。
最終版の1ページに「年功制の職能給から日本に合った職務給への移行」と記載されているが、「日本に合った職務給」とは何か具体的に示しされてはいない。
「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」の実施についての総合経済対策の重点事項(最終版)(PDF)
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そこで岸田総理は「日本の経済界とも協力し、メンバーシップに基づく年功的な職能給の仕組みを、個々の企業の実情に応じて、ジョブ型の職務給中心の日本に合ったシステムに見直す」「これにより労働移動を円滑化し、高い賃金を払えば、高いスキルの人材が集まり、その結果、労働生産性が上がり、更に高い賃金を払うことができるというサイクルを生み出していく」と発言。
日本経済新聞は「ジョブ型へ移行指針、官民で来春までに策定 岸田首相」との見出しで記事を配信(2022年9月23日)。
岸田文雄首相は22日(日本時間23日)、ニューヨーク証券取引所(NYSE)で講演した。日本企業にジョブ型の職務給中心の給与体系への移行を促す指針を2023年春までに官民で策定することを明らかにした。
「年功序列的な職能給をジョブ型の職務給中心に見直す」と述べた。専門的なスキルを給与に反映しやすくして労働移動を円滑にし、日本全体の生産性向上や賃上げにつなげる狙いがある。
職務給は個々の職種の専門性や業務の難易度を重視する。年齢や勤続年数、職務の遂行能力を評価する職能給と異なる。
首相は各企業が事情に合わせて職務給を導入しやすくすると説明した。「一律ではなく仕事の内容に応じたジョブ型の職務給を取り入れた雇用システムへ移行させる」と語った。
転職が進む過程で失業者が増える事態を避けるための支援策も検討すると表明した。就業者が働きながら能力を高められるよう、デジタル分野などのリスキリング(学び直し)支援を強化する方針も示した。
読売新聞『年功給から「職務給」移行』
読売新聞は『年功給から「職務給」移行、転職・副業促進も…「新しい資本主義」概要判明』との記事を配信(2022年10月3日)。
政府が月末に策定する総合経済対策のうち、「新しい資本主義」にかかわる施策の概要がわかった。職務を明確にして専門性や能力を重視する「ジョブ型」雇用の普及に向け、仕事内容で賃金が決まる「職務給」の採用を促す。日本で長年続いてきた年功制の雇用形態からの移行を図る。
近く開かれる「新しい資本主義実現会議」(議長・岸田首相)で取りまとめる。
賃金について、日本企業では年功制の「職能給」を採用するケースが多い。中長期的に賃金水準を引き上げるため、働き方や給与形態を見直す姿勢を明確にする。成長分野に人材が移りやすくするため、副業を認める企業名を公表するほか、転職を積極的に受け入れる企業への支援を強化する。
こうした施策の具体的な進め方について、政府と経済界が来年6月までに指針を策定する。
日本経済の成長に向け、スタートアップ(新興企業)の育成にも力を入れる。起業を目指す若手人材を今後5年間で1000人、米国のニューヨークやシリコンバレーなどに派遣する。大学発の起業も促し、全ての国立大学から新規上場(IPO)を果たす企業が少なくとも1社は出てくることを目指す「1大学1IPO運動」を展開する。
岸田総理 新しい資本主義実現会議発言
岸田総理の新しい資本主義実現会議(2022年10月4日)での発言は首相官邸ホームページに記載されているが、岸田総理は「正規と非正規との不合理な待遇差を禁止する同一労働同一賃金の施行を強化」「フリーランスの方が報酬の支払い遅延などでトラブルに直面しないよう、取引適正化のための法案を今国会に提出」「来年(2023年)6月までに、労働移動円滑化のための指針を策定」などと発言。
本日、新しい資本主義の実行に向けての総合経済対策の重点事項について、取りまとめました。
まず、人への投資と分配です。短期的な賃金引上げに向けては、政府としては、来春の賃金交渉において、物価上昇をカバーする賃上げを目標にして、個々の企業の実情に応じて労使で御議論いただきたいと思います。
公正取引委員会には、中小企業の賃上げが可能となる環境を整備するため、転嫁拒否の悪質事例は、公表し、改善を強く促すなど踏み込んだ対応をお願いいたします。
加えて、非正規雇用労働者の待遇の改善を図るため、正規と非正規との不合理な待遇差を禁止する同一労働同一賃金の施行を強化します。
また、フリーランスの方が報酬の支払い遅延などでトラブルに直面しないよう、取引適正化のための法案を今国会に提出いたします。
中長期の構造的な賃金引上げのためには、来年6月までに、労働移動円滑化のための指針を策定します。リスキリング、すなわち成長分野に移動するための学び直しやセーフティネットの整備、年功賃金から日本に合った職務給への移行等を含め、この会議で議論を加速いたします。
キャリアアップのための転職については、相談を受け、一気通貫で支援する仕組みを整備するとともに、労働移動を受け入れる企業などに対する支援を実施いたします。現在3年間で4,000億円規模の人への投資支援について、5年間で1兆円へと抜本強化します。
次に、スタートアップの起業加速です。起業を志す若手人材を5年間で1,000人規模で、シリコンバレーや東海岸に派遣いたします。
スタートアップの振興のため、SBIR制度(中小企業技術革新制度)を抜本拡充するとともに、一定期間、経営者の個人保証を不要にする金融支援を創設いたします。
関係大臣におかれては、与党とも連携して、本日取りまとめた重点事項を経済対策等に反映し、着実に実行いただけますよう、お願いいたします。
新しい資本主義実現会議 芳野連合会長提出資料
第10回 新しい資本主義実現会議が2022年10月4日に開催。議題は(1)「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」の実施についての総合経済対策の重点事項(案)、(2)賃金・最低賃金の引上げに伴う転嫁対策・中小企業対策の強化。
配布資料の中で重要と思われる資料は次のとおりだが、連合の芳野友子会長は「成長分野への労働移動を否定はしないが、まずは、これまで以上に重層的な雇用対策や社会的なセーフティネットの整備が必要となる」「労働者自らが『移動』を望むような処遇や安定した雇用環境を整備することが重要である。そして同時に、その成長産業を『労働者にとって魅力的な産業』へと発展させることが必要である」「労働移動の促進という観点から、解雇規制や労働法制の緩和につながるような議論がなされることがあってはならない」と。
また、芳野会長は「我が国の課題の一つは、企業横断的な職業能力評価基準がほとんど整備されておらず、職種と熟練度に応じた賃金水準の社会的相場感がないことである。社会的指標が整備されれば、人材の確保・定着をねらう企業は賃金制度の調整を行い、労働者も社会的相場を念頭に置いた転職がしやすくなる。政府が力を入れるべきことは、こうした指標の整備であり、個別企業の賃金制度は職場の実態を踏まえて労使が決めるべきである」「かつて米国型の職務給を導入した企業もあったが、結局は日本の職場実態に合わず見直した経緯がある。『日本に合った職務給』とは何か不明である。誤解を生まない丁寧な説明が必要であり、抽象的な言葉だけが独り歩きし、雇用リストラや賃金抑制などにつながることがあってはならない」と。
新しい資本主義のグランドデザイン及び
実行計画の実施についての総合経済対策の重点事項
「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」の実施についての総合経済対策の重点事項(案)は第10回 新しい資本主義実現会議の資料2として公表されていたが、後日、「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」の実施についての総合経済対策の重点事項(最終版)が公表された。
最終版の1ページに「年功制の職能給から日本に合った職務給への移行」と記載されているが、「日本に合った職務給」とは何か具体的に示しされてはいない。
「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」の実施についての総合経済対策の重点事項(最終版)(PDF)
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