高齢期の備え

高齢期の備えを考えます

高齢期の住まい方を考える(13)「入浴」

2015年09月06日 | 老後と住まい
入浴は普段の生活の中では、複雑で危険の多い動作です。入浴は、浴室に行き、服を脱ぎ、浴室の戸を開け、浴室に入り、体を洗い、浴槽に入り、温まり、浴槽から出て、戸を開け、浴室から出て、体を拭き、服を着て、寝室などに戻る、という一連の動きです。服の着脱も体が硬くなって思うに任せないことも多くなります。また、脱衣や浴室に入る際には、特に冬には、服を脱いだ状態では体が冷えて血圧が上がり脳卒中などを起こす危険性があります。東京都健康長寿医療センターの推計によると1年間に1万4千人の人がお風呂の温度差によって亡くなっているとされています。
浴室の戸がドアの場合、脱衣場のスペースを無駄にしないよう内開きが多いですが、浴室内で倒れた場合救出が難しくなるという危険性があります。できれば、開き戸にすると良いと思います。また浴室の戸の場所には浴室からの水が出ないように10cm位の段差があります。この段差を降りる際に体のバランスを崩しやすく転倒の危険性があります。さらに浴室の洗い場の床が濡れていると滑りやすく、転倒の危険性があります。ドアがガラスでできている場合は、万一、転倒してドアにぶつかってガラスが割れると頭を切るなどの大怪我につながります。もし、浴室の戸がガラスならば、できるだけ早くアクリルなどを使ったドアに変更することをお勧めします。もちろん、その際、開き戸に改修する余裕があれば、開き戸にすることに越したことはありません。(続く)
(投稿者のURL 「老後と住まい」http://www.rougotosumai.com/ )