昔の写真を整理していて発見した廃墟、南ロンドンにあるバタシー発電所です。
懐かしのパノラマ・プリントですね。
'05/01/30 のblog に書いたイギリス行きは、実はオークリー・コート・ホテルの見学以外にも沢山の目的がありましたが、
その一つがこのバタシー発電所です。
ピンク・フロイドのアルバム『アニマルズ』のジャケットでも有名なバタシー発電所は、
1937年操業開始の、電話ボックスの設計で有名なジャイルズスコット卿の建築物で、
1983年の閉鎖まで、ロンドン中西部の約10,000世帯に電力を供給しました。
閉鎖後は、グレード2指定建造物(よくわかりませんが、HPの英文を訳すとこんな言葉でしょうか)
なため取り壊すことができず、廃墟のまま今も放置されています。
4本の白く高い煙突を持つ、アール・デコ様式の影響を色濃く反映するその巨大な建物は、
敷地内の他の施設が取り壊されていることもあって、
周囲の道路や近くを走る列車の車窓からも確認できます。
敷地内には入りませんでしたが、それでも近くで観る発電所は、
現在の街並みの中では決して観ることの出来ない、圧倒的な存在感と
廃墟にもかかわらず、時の流れに埋没しない強烈なオーラを発していたのを、
今でも鮮明に憶えています。
近々ホテルや劇場併設の24時間営業の複合ショッピング・モールに生まれ変わる計画があるみたいです。
2008年完成らしいので、もう改築は始まっているのかもしれませんね。
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ノース・ヨークシャーにお住まいの方の美しい廃墟の写真
・ウィットビー修道院跡|スカーバラ城|ボルトン小修道院跡
イングリッシュ ヘリテージのグレード II ですね。
http://www.english-heritage.org.uk/server/show/ConBar.1913
イングリッシュ ヘリテージとは1984年にイギリスの環境省から独立民営化した史跡保護組織だそうです。時期的に考えて、サッチャー政権の行政改革で民営化したと思われます。
http://www.edu.gunma-u.ac.jp/%7esekido/uk/EHE/eh.html
イギリスには同様の保護組織としてナショナル トラストがあります。仕事が競合しそうなものですが、イギリス人はどんな些細なものでも保存しますからたぶん役割分担ができているのでしょう。
紹介して頂いたサイトもちょっと見てみましたが、
イングリッシュ・ヘリテージは、民営になって採用された、
「制服」ではなく「コスチューム」というのがいいですね。
業績も伸びて、客足も増えたと書いてありました。
さしずめ日本で言ったら、
「日本遺産」という会社ができて、
案内する人がみんな羽織袴や着物を着てるといったイメージでしょうか?
テーマパークのようですね。