黒沢永紀オフィシャルブログ(旧・廃墟徒然草)

産業遺産と建築、廃墟、時空旅行、都市のほころびや不思議な景観、ノスタルジックな街角など、歴史的“感考”地を読み解く

なりたての団地廃墟 #02

2006-09-20 01:42:11 | 集合住宅
新宿の西、オペラシティとパークハイアットに挟まれた、
都庁からも睥睨できる一角にあった都営角筈アパート。
今年の春に閉鎖されこの秋に全て解体された、
短命の団地廃墟です。

同じく都営の戸山アパート程ではないにせよ、
かつてあった中庭の「植物園」もすっかり撤去されて、
窓側の様子がよくわかります。



屋上に、煙突のように飛び出すダストシュートを挟んで、
その両側に小さなベランダと窓一つのこじんまりとした造りは、
どこかで見た事があると思いましたが、
以前の記事でアップした都営戸山アパートにそっくりです。



そう思って東京都都市整備局の都営住宅団地一覧をみてみると、
戸山アパートは昭和二十五年 (1950) から建設が始まり、
かたや角筈アパートは昭和二十六年 (1951) に建設されています。
この角筈アパート、
実は戦後の都営アパートとしては最初期の頃に建設された、
歴史あるアパートだったんですね。

住民が居なくなってから2週間後くらいには、
1階の窓や階段入り口は全て板で塞がれ、
更に敷地の周囲を緑色の金網フェンスで囲って、
中へ入れなくなっていましたが、
この時はちょうどその作業中だったので、
かつては鍵をもつ住人しか行く事の出来なかった屋上へも、
行く事が出来ました。



都庁、京王プラザホテル、住友三角ビルなど、
西新宿の高層ビルが一望できて、
しかも多少距離があるので圧迫感もありません。
きっと夜は綺麗な夜景だったと思います。

◆都営角筈アパート◆
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現役時代の角筈団地の様子は、こちらをご覧ください。
えいはち@十二社の写真館 / 102号展示室~十二社、角筈-1

更地になった跡地の様子は、こちらをご覧ください。
Winterfield Ashhorse / おのぼりさんが見た新宿ノーザンウエスト その7  



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