雑誌「ENGINE」に”反合理主義的服装術”として掲載された時から「おっ!同じ感覚だな」という思いで見ていた。ここに一冊にまとめられた。
同じ年代、VAN、アイビー、トラッド、メンズショップ、はたまた「服育」についても同じ想いで今日に至っていることが嬉しい限りだ。
「1942年夏のサドルシューズ」の中で、”僕が最初に買った靴はヴァンジャケットが出していたリーガルのペニーローファーで色はチェリーブラウン、値段は3800円だったと思う”とある。
これは僕も鮮明に覚えていて、VAN REGAL 3177 という品番だ。高校生のときバイトをして手に入れた。3800円は当時としては高かった。お店の人に赤茶のローファーだけど、黒で磨くといいよと教えてもらった。
「子供の服、大人の服」の中では”服育”に触れ、私も装うこと、着る事については小さいころからの教えが大切なことを身を持って体験しているので、今おしゃれができていることの基本は、母の教えにありと感謝している。そして、思い返せば石津謙介、VANがアメリカの文化と共にきちんとした着こなしのルールを教えてくれた。そしてルールを堅苦しいと思わず楽しみとしてきた。これこそが”服育”だ。「石津謙介、VANが学校で、MEN'S CLUBがまさしく教科書だった」
幾つになっても、ネイビーブレザー、ボタンダウンのシャツに袖を通し一日が始まる。
そして、昨年「石津謙介よ、VANをありがとう!」が恋文大賞・特別賞をいただいた。今、おしゃれを楽しむことができる。その感謝の思いを綴ったものだ。こんなにすがすがしい装い、スタイル、文化を提唱した先人に感謝の思いで一杯だ。
恋文大賞は柿本商事株式会社 http://kakimoto1845.com/