しろくまのいえ

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本)カクレキリシタンの実像

2015-04-23 09:25:40 | 
今月はじめ島原を旅して、歴史を知りたくなりました。
カクレキシリタンは、一般的なカトリック教ではなく、独自のスタイル?宗教であったようです。
時代背景も含め、とても興味のあることがたくさんかかれていました。


1、カクレキシリタンの信仰の根本は、先祖が命をかけて守り伝えてきたことを、
たとえその意味はわからなくなってしまっても、忠実に絶やすことなくも継承してゆくことにあり、
その継承された信仰形態を守り続けてゆくことそのものが、先祖に対する最大の供養になる
と考えているからです
この理由はカクレキリシタンとしてはもっとも
オフィシャルな、そして彼らの信仰意識の顕在化された部分から出てくるもっとも的を得た
回答といえるでしょう。
2、宗教は個人的なものでもありますが、一方では極めて社会的なものでもあります。
それゆえ、カクレをやめてほかの宗教に替わりたくても、従来からの人間関係を良好に
保ってゆくためには簡単なことではありません。仕方がないとみなが認めるような理由が
あれば可能かもしれませんが、そうでない場合は役職者たちを中心とした集団的な選択に
従わざるをえません。
3、カクレキリシタンの役職者はその集団の中においてきわめて高い地位を有しており(中略)
町長よりも上位にあるのは間違いありません。 
4、潜伏時代にカクレであることを、知らぬ不利をして助けてくれた仏教に対して大きな
恩義があるので、仏教徒の縁を切ることはできないといいます。
5、生月島で70年以上カクレキリシタンの最高の役職を務めてきた故大岡留一氏は、
カクレにはさまざまな不思議な奇跡のようなことがあり、たしかにカクレの神様はいる
ので、もう自分たちはそれだけで満足してこのカクレの神を捨てるとか、カクレをやめて
カトリックになどどいうことは考えられない
」といっていました。この言葉は、
カクレの神様が存在するという生き生きとした信仰が根付いていることを示しています。