難しいことはわかりませんが。

実は、主夫からアルバイトに成長しました。

ワンダフル・ライフ / 丸山正樹

2024年04月15日 10時25分10秒 | 
初めて読む作家さん。
そして初めて読後に続けて再読した。
ネタバレしたら衝撃が半減してしまうかもしれない。

4つのパートに分かれているが、最後には繋がって「あぁぁ」と驚かされる。
繋がる=一人の女性の人生だったと気づく。
最後の年譜は助かった。

個人的には、「仮面の恋」のGANCOが「不肖の子」の岩子に繋がるのは無理があると思った。これがため、どうしてこの女性はこういうキャラに変わっていったのかを確認したくって再読したようなもの。やはり無理がある。
あの天真爛漫な大学生だったGANCOが不倫するような、不倫相手の子を身籠るような女性に変わってしまったのか不明。
ボランティア先でのできごとで自分には全くの覚悟がなく、考えが差別的であり偽善だったことに気付かされたショックはわかるけど、ここまで荒むか?と言う感じ。
「真昼の月」での摂がこういう女性になった経緯は、たとえば身籠った障害があるかもしれない子供を流産してしまったという事情があったのかと、ムリヤリ理由付けすることはできる。
「無力の王」の妻がああいう態度を取り続けたのは、自分を恨まさせる、捨てさせるための演技だったのかなとムリヤリだけど理由付けすることはできる。
ただ、どれもこれも微妙に無理がある、けど、破綻とまではいかないか。

作者は何を恨んでこの女性をこうまで落としたのか聞いてみたい。
どこが「ワンダフル・ライフ」「素晴らしき哉、人生!」なんでしょう?
GANCOがキャンパスで受け取ったチラシに「It's a Wonderful Life」と書かれてなければ・・・。

自分は歴史小説や経済小説を偏愛してきたけど、
この作品に出合って、考えを改めるべきだと思った。
またいつか読みたい作品。

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