難しいことはわかりませんが。

いろんなことを食い散らかしてるかもしれません。

風が強く吹いている / 三浦しおん

2025年01月03日 09時47分40秒 | 
大学の寮に住む10人の生徒が、箱根駅伝で優勝を目指すという物語。

とても現実的ではないので・・・これがまかり通ると駅伝のレベルって低いのかな?という疑問が生まれてくる。
都合よく書きすぎてるんだな。
後半はレースに入るが、一人一人の気持ちとか感情とかを10人分読まされ、少しうざく感じた。
ただ、コースの描写とか走り終わった選手の行動(箱根に向かうあたり)、タイムについてや電話で連絡するシーンは良かったと思う。箱根駅伝をちゃんと見たことがないだけに参考になった。
そして大学生は奇跡を起こす。箱根駅伝は奇跡を目撃しやすい。子供たちが巻き起こすチームスポーツの底力を感じる。
と同時に、大人たちが子供たちを使って騒いでるように映る。

読んで損はないけど、再読したいほどではない。


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家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった / 岸田奈美

2024年12月15日 16時30分31秒 | 
ドラマが面白かったので原作を読んでみました。
ドラマよりも面白かったと思います。声出して笑っちゃうところなどもありましたし。
NHKのドラマとしては作りにくかったであろうけど、ガイアの夜明け(この頃は江口洋介だったのか)、ブラジャーの話しや、甲子園での売り子のアルバイトの話しなんかは省いたのがもったいないくらい面白かったです。
作家になられた岸田さんの、これからの作品に期待します。



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ふがいない僕は空を見た / 窪美澄

2024年12月12日 10時20分19秒 | 
初めて読む作家さんでしたが、いまいちでした。

5つからなる短編集で微妙につながってるのかな?
助平な私は、1話目の性の虜となった男子高校生に、セックスできるならなんでもするよなぁと少なからず共感し、
2話目に、あっ、この主人公の主婦は1話目の高校生の相手か、そっちの視点から描いてるのかと戸惑い、
3話目は、そっかそっか、今度は1話目の高校生の同い年の恋人の視点かと思いつつ、
1話目の高校生を中心にこの本は回てるのか?
ここまではグイグイ引き込まれ、このまま一気見?かと思いましたが、

4話目からは1話目の高校生はほぼ置いてけぼりかな?
もう少し絡ませて驚かせてくれたらよかったのに。
4話目のあくつが何故ビラをばらまいてたかわからないし、田岡はなんだったの?
5話目も言いたいことはなんとなくわかるが、高校生との(息子なのだが)絡みが・・・。
とにかく全体的に問題ばら撒きすぎて、回収できてないところが多くってモヤモヤ感が半端ない。
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無人島のふたり / 山本文緒

2024年12月09日 10時24分45秒 | 
無人島のふたり読了。

著者が、すい臓がんで余命宣告されてから亡くなるまでの日記を本にしたもの。
とても良かったです。
死ぬまでの覚悟とか準備、未来のない未来への思いなどが参考になりました。
現状をエヴァンゲリオンで表現したり、飼っていた猫が亡くなる直前に使われたステロイドを自分に投与されたはなしは、ああ、この人はここまで来ても小説家なんだなと感心する。
しがらみがないからか村上春樹から心が離れたことなど言わなくていいことを告白しているのは面白かった。
逆にこのタイミングで著者が面白いと言った小説などは本当に面白いのかもしれない。

最後の方はギリギリ感が凄かったので、読んでいて少し辛かったです。
だけどもし私ががん宣告されたら、再びこの本を手に取ると思う。


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鴨川ホルモー&ホルモー六景 / 万城目学

2024年12月05日 16時09分01秒 | 
鴨川ホルモー&ホルモー六景を11年ぶり3度目の読了を果たしました。

万城目学さんのデビュー作ということでしたが、デビュー作とは思えないほど素晴らしい作品です。
京都の4大学が10人づつ1人100匹のオニを使って競技するというどうでもいい物語でしたが、言葉のチョイスがことごとく琴線に触れました。それと例え話が面白いのも特徴的です。くどい時もありますが。レナウンの曲わかる人いますか?あの曲に合わせて尻を振り振り、想像しただけで笑いがこみ上げてきます。
出てくる地名なども著者が書くとなぜか魅力的に映るのが不思議です。グーグルマップで検索して辿ってみたくなるほど。
今まで溜めていたアイデアなどを、この小説に全てぶち込んだ、そんな渾身の作だと思います。

主人公の安倍が早良京子に恋をしたが、早良は芦屋にゾッコンで、2人は付き合い始めるが、芦屋は元カノに少しだけ未練があり、早良は安倍を使って芦屋に嫉妬させるという自己中。三角関係のもつれから4大学で争っていた競技はルール変更の末1大学2チームに分裂させ8チームで争うことになる。

ホルモー六景では芦屋の元カノや、安倍に恋する楠木、安倍の親友高村の恋人、他1、ここまでが鴨川ホルモーと直接関係し、残りの二景は彼らを現在とすると過去の人が主役です。なんせ京都で1000年も続いてる競技だそうですから。
東京でもホルモーが行われてたというのは、個人的にはいらなかったです。
最後の6景を読む限り、高村が告白したのではなく、逆に告白されたのが自然のような気がします。




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菜の花の沖 / 司馬遼太郎

2024年12月01日 19時31分15秒 | 
9年ぶりに再読。

これは面白くなかった。
商人というか船乗り、高田屋嘉兵衛の物語なんですが、
再読は2度目かな?(結構読んでました)
なんて言うか、嘉兵衛の凄さを語るのに、これだけまわり道しなければならないんならもういいや、って感じになりました。
読み終わると同時にゴミ箱へ処分しました。
1冊読み終わるのに2週間前後かかりました。
この本が好きな司馬作品の8位にランクインしてるのが不思議でなりません。

全6巻のうち1冊丸ごとロシアについて書かれてる巻もあるので、これは嘉兵衛の凄さの説明よりも、ロシアが日本に対してどうしてこういうことをしたかの説明であり、さらにロシア国内の事情までご丁寧に書かれてるので正直うんざりします。
いつまでたっても主人公が出てこないのはどうなんでしょう。前が見えない状態で海上漂ってる気分です。
船の構造については面白かったですが。

その主人公である嘉兵衛も、結果的には周りを不幸にしたんじゃないかって思います。
男気を出して幕府のお抱え船頭になったあたりから急激に興味がなくなりました。

2000年だったか2001年だったか、この本を知る前に函館の高田屋嘉兵衛資料館みたいなとこに行ってるんですよね。何も知らない自分にはもったいなかったと思います。
それと竹中直人主演でNHKで放送された連続ドラマは大変面白かったと記憶しています。



これまでに処分したのは79冊
故郷忘じがたく候1、アームストロング砲1、胡蝶の夢4、真説宮本武蔵1、大坂侍1、北斗の人1、十一番目の志士2、手掘り日本史1、司馬遼太郎の日本史探訪1、尻啖え孫市1、俄-浪華遊侠伝-1、妖怪1、ある運命について1、司馬遼太郎が考えたこと1、歴史と風土1、風の武士2、風神の門2、坂の上の雲8、風塵抄2、功名が辻4、夏草の賦2、義経2、新史太閤記2、箱根の坂3、司馬遼太郎の世界1、城をとる話1、草原の記1、上方武士道1、日本歴史を点検する1、歴史の交差路にて1、ひとびとのあし音2、空海の風景2、韃靼疾風録2、ペルシャの幻術師1、アメリカ素描1、この国のかたち6、人斬り以蔵1、最後の伊賀者1、果心居士の幻術1、戦雲の夢1、項羽と劉邦3、菜の花の沖6

残す作品60冊
梟の城1一夜官女1、おれは権現1、軍師二人1、国盗り物語4、翔ぶが如く10、覇王の家1、豊臣家の人々1、春灯雑記1、播磨灘物語4、関ヶ原3、殉死1、余話として1、歴史を紀行する1、城塞3、馬上少年過ぐ1、酔って候1、世に棲む日日4、歳月1、最後の将軍1、幕末1、花神3、峠2、燃えよ剣2、竜馬がゆく8、王城の護衛者1、新選組血風録1


【生誕100年 好きな司馬作品】(司馬遼太郎記念財団)

1位、坂の上の雲
2位、竜馬がゆく
3位、燃えよ剣
4位、街道をゆく
5位、峠
6位、花神
7位、国盗り物語
8位、菜の花の沖
9位、関ケ原
10位、世に棲む日日
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ハンチバック/市川沙央

2024年11月20日 16時46分48秒 | 
芥川賞は敬遠していますが、著者が身体障害者というのが上回り読んでみました。
まぁ、合わなかったです。
よくわからない今どきの単語が次から次へと出てきて、中年でこの単語理解できる人ってどれほどいるのかな?不親切だな、なんて思いながら読みました。なんか著者は荒れているなと言う感想も持ちました。
専門用語で武装して、物語については逸らしている感じ、最後の引用もなんなのかわからなかった。
高齢処女重度障害者の書いた意味のないひらがなが画面の向こうの読者の「蜜壺」をひくつかせて小銭が回るエコシステム
なんて独創的な文章もあるからよくわからない。
96ページなので早く読み終えれたのがよかった。




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夜のピクニック / 恩田陸

2024年08月23日 10時25分57秒 | 
私としては、あまり面白くなかったなというのが率直な感想です。

高校の行事、歩行祭を通し、訳ありな西脇融と甲田貴子の感情の変化を、二人の親友も絡めて進めていく。
こんな感じでした。
修学旅行のかわりに80㎞(だったかな?)の歩行を行事にしたという設定はとても良かった。100㎞ウルトラマラソンを経験している私にはわかる、走るんじゃなく歩くのがどれだけ大変か。

読み進めて思ってたのは、いつ事件は起こるのだろう?ということ。
あっ、このまま何もなくこの二人の感情が融和して終わるのかと予想できた瞬間に飽た。
そして貴子の親友で今はアメリカにいる榊杏奈の弟とかいうのが現れた際に、おいおい無理があるだろうと心の中で突っ込んでしまった。

融や貴子の友人が話す、雑音やタイミングの箇所はすごく同意できた。これを高校生の口から言わせるって、ずいぶん大人びた高校生だなと思ったが、受験を乗り切るための恋人作りなど私の想像しない現実があるみたいなので、今の高校生は大人なのかも。

「蜜蜂と遠雷」が良かったので別の作品もと、第2回本屋大賞受賞作の本作を手にしましたが、
これで恩田陸さんの作品はとうぶんいいかな。

貴子が前半に一緒に歩いてた梨香と千秋は、後半に美和子を選んだ貴子に対してどう思ってるんだろう?
そんなどうでもいいことを考えてしまう。

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蜜蜂と遠雷 / 恩田陸

2024年08月18日 10時54分15秒 | 
4人の若きピアニストの群像劇。それと審査員や記者の視点も加わる。
ピアノコンクールが舞台。

初めて読む小説家なので心配だったが、とても面白かった。
調べ方が半端なく、文字数も半端なかったが、私の場合、反田恭平さんが出場したショパンコンクールのドキュメンタリーや、ピアノを提供する側の「もう一つのショパンコンクール」だったかな?のドキュメンタリーや、「のだめカンタービレ」を観ていたので簡単に入ってきた。
クラシックも嫌いじゃないので、この作品に出てきた曲をそのうちユーチューブで聞こうと思う。
文章で高揚していくとは思わなかった。映像には敵わないだろうが、それでも凄いなと思った。ずいぶん私を豊かにしてくれたと思う。感謝を込めて次は「夜のピクニック」読もうと思う。
それにしても本のタイトル「蜜蜂と遠雷」はどういう意味なのだろう。



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項羽と劉邦 / 司馬遼太郎

2024年07月24日 20時21分50秒 | 
9年ぶりに再読。

なかなか面白かったですけど、本(古本で買った)がボロボロなので捨てることにします。
機会があるなら、一度読むことをお勧めします。

9年ぶりに読んでわかったんですが、内容はそれほど難しくないです。詳しく書いてくれているので難しいように思いますが、そんなことないです。
私のような頭の良くない人間が要約すると、秦が統一しました。その秦が嫌われ、あっちこっちで反乱が起きたわけです。その中に項羽や劉邦がおり、韓信や彭越や黥布などがいたわけです。変換して出てくるんだから有名なんですね。

秦を滅ぼし最後は項羽と劉邦の二大勢力の直接対決です。
第三勢力の韓信や、ゲリラ部隊の彭越なんかもいるんですが、彼らは最初項羽の陣にいたのに彼に必要とされなかったので、必要としてくれた劉邦に付いています。
自分の勢力がおおきくなったので日和見していた韓信、劉邦の評価に納得できない彭越、劉邦は彼らを土地と言うエサで釣り、みんなで項羽をやっつけたわけです。と言っても臆病者の劉邦は後ろの方で見てただけですが。

項羽の首を獲った懸賞が大きすぎて、項羽の死骸をよってたかって5人が引きちぎったそうです。
劉邦は平等にその懸賞を五等分したそうです。(これが劉邦の人柄です)
約70年後に二十歳の司馬遷が大旅行した際に楚でこの話を聞いであろうと書いてあります。なので今日に伝わっています。
ついでですが、司馬遼太郎はこの5人を愚劣とまで書いております。


どちらかと言うと、この話よりも統一後に劉邦の奥さんがしたことの方が興味深いです。
韓信も彭越も黥布もみんな彼女に処分されたそうです。

司馬遼太郎が「項羽と劉邦」だけでなく「三国志」も書いてくれたなら、横山光輝の「三国志」とで理解が深まっただろうに残念です。
ご存知の方、少ないと思いますが、本宮ひろ志に「赤龍王」と言う作品があるんですが、私はこれを読んでたので話がすんなり入りました。宦官や阿房宮を知ったのもこの本です。若き日に見た、阿房宮で女性が裸で逃げ回る画は、目に焼き付いてます。




これまでに処分したのは73冊
故郷忘じがたく候1、アームストロング砲1、胡蝶の夢4、真説宮本武蔵1、大坂侍1、北斗の人1、十一番目の志士2、手掘り日本史1、司馬遼太郎の日本史探訪1、尻啖え孫市1、俄-浪華遊侠伝-1、妖怪1、ある運命について1、司馬遼太郎が考えたこと1、歴史と風土1、風の武士2、風神の門2、坂の上の雲8、風塵抄2、功名が辻4、夏草の賦2、義経2、新史太閤記2、箱根の坂3、司馬遼太郎の世界1、城をとる話1、草原の記1、上方武士道1、日本歴史を点検する1、歴史の交差路にて1、ひとびとのあし音2、空海の風景2、韃靼疾風録2、ペルシャの幻術師1、アメリカ素描1、この国のかたち6、人斬り以蔵1、最後の伊賀者1、果心居士の幻術1、戦雲の夢1、項羽と劉邦3

残す作品66冊
梟の城1一夜官女1、おれは権現1、軍師二人1、菜の花の沖6、国盗り物語4、翔ぶが如く10、覇王の家1、豊臣家の人々1、春灯雑記1、播磨灘物語4、関ヶ原3、殉死1、余話として1、歴史を紀行する1、城塞3、馬上少年過ぐ1、酔って候1、世に棲む日日4、歳月1、最後の将軍1、幕末1、花神3、峠2、燃えよ剣2、竜馬がゆく8、王城の護衛者1、新選組血風録1


【生誕100年 好きな司馬作品】(司馬遼太郎記念財団)

1位、坂の上の雲
2位、竜馬がゆく
3位、燃えよ剣
4位、街道をゆく
5位、峠
6位、花神
7位、国盗り物語
8位、菜の花の沖
9位、関ケ原
10位、世に棲む日日


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ある男 / 平野啓一郎

2024年06月17日 19時02分17秒 | 
初めて読む作家さんですが、芥川賞の選考委員をされてるそうです。

さーて・・・たった350ページ読むのに1週間もかかってしまった。
平野啓一郎さんの作品はもう読まないでしょう。

本筋とは関係ない話が多く、村上春樹チックな、服装だとかお酒だとか、音楽だとか、私としてはどうでもよい。
あと、その人物がいま何を考えてるかという説明的なものも多く、しかも考えてることが難しいので3行くらい読んだら眠くなり、何の話してたんだっけ?となってしまう。
それに村上春樹ほど深く?複雑ではない。
この作品も戸籍を交換して、過去を捨て、交換した相手として生きるという、設定は斬新だけど、それだけの話し。それだけの話をよくもこれだけグズグズと書けるなと不思議でしょうがない。
それなのに、妻の浮気疑惑的なとこはハッキリさせない。どうしてこれまでどうでもいいことを散々書いてきて、知りたいことは書いてくれないのか?

ただ、人気作家ですから、私の趣味が合わないだけなのでしょう。
読む人が読んだら面白いらしいです。
そもそも、私の読書家としての出自は、歴史小説ですから。
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悼む人 / 天童荒太

2024年06月11日 09時47分38秒 | 
11年ぶり2度目。
本当は「永遠の仔」を読んでたんですが、上巻200ページくらいでつまらなすぎて投げ出しました。
過去に読んだ天童荒太の「悼む人」を思い出し、自分として高評価だったので読み直したんですが・・・
なぜかこれで天童荒太とは合わないことが発覚してしまいました。

11年前と比べかなり評価が落ちたのに驚きました。
面白くない。
死がベースなので面白いわけはないのですが、読むのに体力を奪われる感じがし、11年前と比べそこまで体力がなかったのかもしれません。もしくは、以前は私の読んだ少ない本の中の一冊だったから面白く感じたけど、少し増えた中で比べるとそれほど面白くないのかな?
10年以上も経てば感受性も変わるだろうし、死への考え方もより身近に思うのも理由かもしれません。

今後この本を読まないように自分へのメモ。
フリーの雑誌記者、主人公の母、夫殺しの若い女性、この3人の視点で主人公坂築静人が語られる。
エグイ記者は最期は静人のよき理解者みたいになり、母は最期まで我を通し、若い女性は静人と愛し合った後、もう一人の坂築静人となり、静人とは別々に回る。
なんだかどの方に対しても理解に苦しんだ。
主人公自身が死者を悼むわりに、亡くなりそうな母とは向き合わないのに矛盾を感じるし、説明がない。
ただ、今思ったのは、この両親からなら坂築静人は生まれそう。

あとがきを読むとなんだか悪く書けなくなるが、どうにもこの本は二度と手にすることはないでしょう。



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平場の月 / 朝倉かすみ

2024年05月28日 16時48分30秒 | 
鈴木保奈美のあの本、読みました?で、凪良ゆう氏だったか誰かが紹介してたので読んでみました。

五十歳の恋愛小説。失楽園的なのを想像してたので安心したというかガッカリしたというか。
あまり心に響かなかったです。

中学生の時の同級生に恋をするって展開はありかな。
私も同年代ですが、常々、同級生に恋をするなんてありえないだろうと考えてましたが、前出の鈴木保奈美さんを見れば、五十代に恋をする可能性は無きにしも非ずと思い直しました。

視点は青砥という男性なんですが、小説自体が女性の日記っぽいので読み難かったです。(女性の日記を読んだことないですが)
最初の章で結末が出てたので、読み進めるのが辛かったです。ずいぶん思い切ったことをなさいましたね。
この年になって辛い恋愛をしてダメージをうけるくらいなら、せずに平穏な生活を送りたい、そんな気持ちです。だから小説の中くらいはハッピーエンドかハチャメチャなのを希望します。

病気の件などかなり興味深かったけれど、二度と読むことはないでしょう。
この本を読んでこの作家の別の本を読みたいとは思いませんでした。
この本を紹介した凪良ゆうさんの本にも興味をなくしました。


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県庁の星 / 桂望実

2024年05月25日 19時24分08秒 | 
2006年本屋大賞9位の作品。
期待したほど面白くなかった。

県庁に勤めている青年が、官民交流で民間スーパーで1年間働くというお話。
織田裕二主演で映画化されているが、こういうのって映像で観たほうが盛り上がるのかもしれない。
ただ、地上波で放送されてない?、私は観た記憶がない。

気になったのは、ちょうちょい区切って目線を変えてるんだけど、
主人公二人、どちら目線なのか数行読まなきゃわからない時がある。
数行読んで、あぁ、二宮だったのか、とか、野村だったのか、という感じ。あんまり親切じゃないかな。

このままだと映画化は限界があるので二宮泰子を若い女性にしていた。
確かにこの原作のままだと、他店へ偵察行くシーンも、おばちゃんから誘われたんじゃ行く気にならない、県庁から来たプライドの高い若い兄さんなんだから。

300万円騙し取られた件とかどうなったんだろう?
こういう無駄を省いて、県庁さんにスーパー全体が動かされるところを丁寧に描いて欲しかった。



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コンビニ人間 / 村田沙耶香

2024年05月22日 12時51分50秒 | 
第155回芥川賞受賞作品。

最近直木賞受賞作品を選んで失敗続きだったから、
(極楽征夷大将軍、しろがねの葉を途中で読むのやめてしまった)
芥川賞にシフトしてみました。

160ページと短いんですね、1日で読み終えてしまいました。
ずいぶん突き詰めて考えるんだなと感心して読んでましたが、著者の経験から書かれたんですね、すごく納得がいきました。
実際、著者には物書きと言う才能に恵まれていて、この作品の主人公のラストの狂気じみた性格とは違うんだなと、安心しました。

狭い世界で深く考えてる、
舞台がコンビニという身近なところだったから受け入れられたけど、
これが別の所だったらうんざりしたかもしれない。

この本はもう読まないし、
この作家さんの別の作品を読もうとも思いませんでした。




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