COVERSTORY
“ビール10杯ください”カン・ドンウォンが日本語でビール10杯を注文した。 上手くはないがかなり強くてはっきりした日本語の発音、通訳を担当したスタッフがすぐそばに座っているのに、彼の実践日本語は続いた。 夕食の席で食べ物を注文するのも、2車線を移す時にタクシー運転手に位置を説明するのも全部カン・ドンウォンの役割. この日の夜、彼はビールを水のように飲んだ。 ただでさえ小さい顔が最近さらに痩せてみえて“ビールでもたくさん飲んで次の日に顔が腫れてほしい”と冗談を言ったが、なんと。 次の日朝8時集合時間に言い訳ひとつなくまともな顔でスタジオに入った。 いつかワイン愛好家である俳優キム・ユンソクが“カン・ドンウォンは脚が長くて酒をいくら飲んでも酔わない形”といったことが根拠のない話ではなかったようだ. 撮影終盤‘降神’からますます距離感を感じる時に、乗っていた自動車の窓を開いて頭をぱっと出すとカン・ドンウォンが叫ぶ。 “ここに席多いです! こっちにどうぞ。”その瞬間、去年の冬の思い出が浮び上がった。 <HIGH CUT>画報を演出したイ・ミョンセ監督の家でそでをまくりあげて皿洗いをしているカン・ドンウォンの後ろ姿だ。
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邪悪なカン・ドンウォン
<群盗>ジョ・ユンに陥った彼の目は冷ややかだった。 毒のように美しい、本当に悪い男カン・ドンウォン.
カン・ドンウォンはカップに残っている氷を口に入れた。 氷をあっちこっち転がしながら、これにぶつかる音が唯一大きく聞こえた。 ワグジャク氷をかんで突然
映画撮影会場であったことを思い出させた。 “真夏の山の中で撮影をしていた。 コーヒーカップをテーブルの上に置いて撮影をして戻ってきて飲んだが変に口の中の氷がすがすがしくなかった。 何だろう? 変で氷を吐いたが見ると大きい蛾だった。”コーヒー一杯を介して人間と蛾がお互いに忘れることのできない衝撃と恐怖をやりとりした。 一座に‘一同氷’を巻き起こしたこのエピソードはユン・ジョンビン監督の映画<群盗:暴動の時代>(以下群盗)の撮影現場での出来事. カン・ドンウォンはこの映画で俳優人生で最悪の‘悪い奴’として登場する予定. 貪官汚吏の虐政に対して戦う朝鮮の民衆を容赦なく切る役だ。 2014年の期待作<群盗>の他にも尋ねることが多かったが、“釜山(プサン)国際映画祭であったことはそのまま静観するのが良いようだ”という彼の意見を尊重することに。 加えてガールグループ ミスエイスジの理想のワールドカップで優勝した感想も気になったがこれまたノーコメント. そういえば、彼も男だが聞くだけ無駄だろう。 記者クォン・ヨンファン
今回の釜山(プサン)国際映画祭で上映したキム・ジウン監督の短編<ザ・エックス>があるが、軍服務後公式的な復帰作は<群盗>と言える。
俳優のスケジュール調整で<群盗>の撮影が少し遅れた。 その間にキム・ジウン監督が短編を一緒にしようというのに私には断る理由がなかった。 演技にとても飢えている時だ。 長編映画を撮る前にウォーミングアップができる本当良い機会だと考えた。
演技を休んで再び撮影現場に復帰した感想はどうだったか。 数年の間止めた酒を再び飲む感じ?
それとは全く違うだろう。 酒を3~4年断って飲めばどれほどおいしいか。
ところで演技は再び始めたがまずかったよ。 あえてたとえるなら、酒を断って再び飲んだが以前と違って酔いが急にまわる感じ? 頭はなじんでもからだがついて行かないってことだ。 現場感が確実に落ちた。 普通はリハーサルで準備したものが実際の撮影で80%程度は出たよ。 練習したことと実戦とがますます同じように出てきて‘それで私がますます職業演技者になって行くんだな’と感じたことがあった。 ところが帰ってきてみるともうリハーサルしたのが50%も出てこなかった。 やっと動線だけ合わせる程度で、感情はコントロールできない事態が起こった。 現場感を引き上げるのに時間が長くかかった。<群盗> のスタジオ撮影に入った時やっと上がってきたようだ。
スタジオ撮影はいつからだったか。
4月に撮影を始めてセットは多分6月頃. セットではすぐに撮影を進めながら集中することができた。 その時また、一つ一歩遅れて悟ったのが、以前はいつも撮影入る前に画面サイズを確認したという点だ。 クローズアップなのか全身なのかと。 ところが私は今までそれさえも忘れてしまったということだろう。 ‘はっと、私が今まで何をしていたんだろう。’それで撮影監督にこれからはもしも私が忘れても必ず撮影に入る前に一度だけ思い出させてほしいとお願いした。
軍服務前最後に映画を作る時考えがたくさん出ただろう。
休まないでいくつかの作品をとった。 <チョンウチ><義兄弟><ラブフォーセール><超能力者>まで続けて。 その時は実戦でもリハーサルしたとおり、でなければそれ以上出てきたりしたが。 結局はリラックスできないようだ。 とにかく今回の機会に個人的に演技者として自分自身を見返すことができたようで。 色々な面でとても役に立ったようだ。
ユン・ジョンビン監督との作業は初めてだが。
とてもよく合う。 撮影する時もそうだが私的によく合う。
除隊直後にイ・ミョンセ監督と<HIGH CUT>画報をとった時にも<群盗>のキャスティングに関して公開していない内容が多かった。 シナリオを初めて受けて出演を決心した状況が気になる。
ユン監督のシナリオを初めて受けた時は正直判断がつかなかった。 シナリオもディテールでなくて状況説明だけされていた。 私が監督のスタイルをよく知らなかった。 一緒に作業をしたことがなくて。 とにかく、不安もあったしもう少し具体的に(シナリオを)見たいと言った。 監督と会って話してますます確信を持った。 ところが周りには引き止める方々が多かった。 ‘上手にできるか?’と。 私を過小評価したのかどうかはよく分からないが、‘ジョ・ユンというキャラクターが能動的に何かをするキャラクターではない。 表現することも大変でドラマチックな部分もない。 この盗賊の群れと君が戦ってどうだろうか’という意見だった。 ところが私はそんなことで作品を心配しない。 監督とは初めてという漠然とした恐れがあったが押し切った。 自信もあったし。
アクションスクールから来たスタントマンを拒んで危険なアクションシーンを99%自分で消化したと聞いた。 刃も特別長いものを使うといったが?
エイ、99%までではなく90%程度である。 そして刃は長いものを使うというより私の背丈に合わせた。(笑い)ところで<デュエリスト>の時も身長のために刃を伸ばすほかはなかった。 刃が腕より短く見えるとオシャレじゃないってことだ。
そういえば<デュエリスト>の時にドンウォン氏を指導したダンスの先生がコンクールに出てみろと薦めたという話を聞いた。 3ヶ月間訓練したのが数年コンクールの準備した人々ぐらいだと。 もしコンクールに出ればどうなるかと尋ねると、“すると(ボクシング国家代表になった)イ・シヨン氏のようになるでしょう”といったというが。
彼が本気で何度も出てみようと説得したのは事実だ。(笑い)
<デュエリスト>の時はとても暗かったし<チョンウチ>の時は茶目っ気たっぷりのキャラクターだったじゃないか。 同じ史劇ファクション活劇で<群盗>はどんな感じなのか。
簡単に私が感じたところでは、私も見られなかった私の顔が見えた。 もちろん毎キャラクターがそうだけど特にそうだった。 感じは本当に良かった。
色で言えばどうだろうか? 暗い灰色?
色はとても多彩だ。 今までした中で最も難しいキャラクターでもあり一番おもしろい。 悪いことをする楽しさがとてもよい。 国民を困らせて絞り取って国民が飢えて死ぬのに私一人が良く食べて楽に暮らすキャラクターだ。 人を人と見ないのは日常茶飯事というキャラクターだ。
<群盗>で騒動の主人公白丁役に出演するハ・ジョンウ氏がこの前そのような話をした。 “撮影会場に人はカン・ドンウォン 一人、残りはみな動物だ。 林の中にマ・ドンソクこうした者がいてそのそばに人カン・ドンウォンがいる形”と。
それでさらにジョ・ユンというキャラクターが悪質で悪い奴という話だ。 自分ひとりがよく食べて服も不自由ないってことだ。 他の人はみな飢えて死んで乞食のようにボロを着るが。 本当に悪い。
ハ・ジョンウ、イ・ギョンヨン、ソン・ヨンチャン、キム・ヘスク、マ・ドンソク、チョ・ジンウン、イ・ソンミン、ジョン・マンシク、チュ・ジンモまで固い俳優が大挙出演する。 映画三編は軽くとることができるラインナップだ。 同僚との呼吸はどうだったのか。
皆とても気楽に良く過ごした。 ジョンウ兄との呼吸は悪い理由がないだろう。 一番ぶつかる場面も多くて。 おもしろくよく撮影している。 ソン・ヨンチャン先輩とは一緒に撮影をたくさんしたから良くて。 イ・ギョンヨン先輩やマ・ドンソク先輩とは初めてだが初めてのようでない程良い。 そして私が一番末っ子だ、また再び。<オオカミの誘惑> 時のほかは末っ子でないことがなかった。 <オオカミの誘惑>の時もイ・チョンアを除いては事実上私が末っ子であったから。 とにかく常に末っ子であり今回も末っ子だ。 今度は本当にはるか離れた末っ子だ。
それでも末っ子の時が気楽なのだ。
楽だろう。 皆‘良いなぁ’と。
先輩たちが酒もよく買うじゃない。
そうだ。 もちろん酒は私も時々は買わなくちゃ。 今は飲むばかりでいられない。
<群盗>が今月で遅くとも11月までには撮影が全て終わるようだ。 昨年のインタビュー時は来年夏までスケジュールが大まかに整理されるといったが、これまでに変わった状況があるのか。
来年の冬まではある程度の輪郭が出ている。 捕えられている作品も4つ程度あって。 ところが実際、映画というものが製作が伸びればどうなるか分からないということ。 ひとまずすることにした映画4編中2つはシナリオも出てきた状態だ。 最近本当におもしろい。 作品が絶えず入ってきて良い。 おもしろいシナリオが多くてそれを選ぶのも容易でないね。
おそらく<群盗>公開の時に多くの人々がハ・ジョンウとカン・ドンウォンという俳優を比較するだろう。
当然そのようになる。
二人は本当に違うようだ。 色もそうで性格も違って。
兄とそのような話もしたが、他の見方をすれば本当に似ている面もある。 似ている点がなくない。(笑い)
いったいどんな面が似ているというのだろう? 食べること?
食べるのは私がはるかに好きなこと?
‘モクバン’の化身ハ・ジョンウより?
私が見るとジョンウ兄はおいしいものも好きだがあれこれ何でもものすごくよく食べるスタイルであって。 私はおいしいものをどのようにしてでも探して食べるスタイルで。 似ているが違う点というか? 鋭敏な点も似ているようで、でもすべての演技者の共通点であるかもしれません。
鋭敏だというがどんな敏感をいうのか。 演技する時のディテール? でなければ性格?
あ、ますます分からない。 それだけではないでしよう.(笑い)とにかく兄と私はものすごく違う。 おもしろいのはそれで今後さらに頻繁に見ることができそうだ。 なぜか他の作品でもまた会うようだし。 次には私が優しい奴で兄が悪い奴をして。 撮影を始める前に兄と酒を飲みながら今後も一緒に作品をたくさんしたら良いという話もした。 ところで兄が以前にこういう話をしたことが記憶にたくさん残る。 “孤独だろう?”と尋ねたよ。 私はそのまま“はい”と。 演技者という職業が大衆と呼吸しなければならないながらもとても孤立しているから。 人に会いにくくて、裏切る人も多くて。 もちろん私も問題があるだろうが。 むなしさがある。 とにかくその兄を見れば本当に真のエネルギーがあふれる。
そうなの、俳優として作品もたくさんして、今度は直接演出した映画(<ジェットコースター>)も公開するから。
ジョンウ兄が監督デビューをしたのが本当にすごくてうらやましくて尊敬する。 実際、私も周辺で薦める方々がいる。 しかし、私にはとうていできない。 能力もなくて、私にはあまり荷が重いようだ。
ひょっとしてハ・ジョンウ監督が自分が来年に演出と主演をすることにした<ホサムグァンメヒョルギ>にカン・ドンウォン氏をキャスティングするというならどうだろうか。
ハハハ。 それ自分がホサムグァン役までするといったのではないか? 一人ですべて行おうと。(笑い)ともかくすると監督演出料と俳優出演料とみな受けるのか? 兄に行って一度尋ねなければならない。
軍入隊前最後に公開した映画<超能力者>が日本でリメークされている。<デスノート> の、藤原タツヤがカン・ドンウォン氏の役を受けたといっていたが。
実際<超能力者>の時にしたかったが表現できない話が多くて惜しかった。 日本版<超能力者>がそのような面で期待される。 観覧等級を比べて私たちより日本映画の表現程度がもっと強い。 個人的に私が出演した映画のリメークだからではなく観客のひとりとしてその映画が見たい。
話さないことにしたが、とにかくこれまで釜山(プサン)国際映画祭のことで精神的苦労が多かったようだ。 インタビューもみな終わったし、最後にしたい話があるならば。
釜山(プサン)国際映画祭と関連したことは言及したくない。 人々が私に対してどう思うのかよく分からない。 仕事において演技は私の全てだ。 ある方々は神秘主義という言葉もたくさんするが、そうではない。 率直に私という人は何かをたくさんするエネルギーがない。 それで最大限惜しんで使うところに使わなければならなくて使わないところは使ってはならない。 そうでなければ私の精神が持ちこたえられない。 傷も多く受ける性格で精神的に強靭な人でもないようだ。 何か強要するのは理解できない。 人はみな違うが、誰かは楽しむのを誰かは死ぬよりも嫌なこともある。 ところがそれを一律的に‘演技者はこのようにしなければならなくてこれが当然だ’といえば大変だ。 私の主張が正しいという話をしようとするつもりはない。 私としてもこれが疑問ということだ。 ア分からない。 物心をまだ聞かなかったか。 三十を越えたのに依然として分からないし、四十を越えても分からないようだ。(笑い)
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第18回釜山(プサン)国際映画祭裏話
<HIGH CUT>勝手に授賞式
5位奨励賞、<ザ・エックス>カン・ドンウォン
釜山(プサン)を訪れたどんな俳優より最も多く広く知られたこれは釜山(プサン)にくるか、やめるかで願わないもめごとを行ったカン・ドンウォンであること. 問題の発端は釜山(プサン)国際映画祭分ガーラプレゼンテーション部門公式招待作<ザ・エックス>に出演したカン・ドンウォンが予定されたGVに参加しないという便りからだ。 映画祭は3日“カン・ドンウォンの個人的事情による不参加”と説明したが、これに対してカン・ドンウォン側が“主宰側からレッド カーペットと記者会見に参加しないならばセンタム近くに(映画祭が開かれる所)に来るなという一方的通知を受けた”と反論して事件が大きくなった。 論議が広がった時点で<ザ・エックス>製作会社CGVが4日”カン・ドンウォンが映画祭と円満に解決をしてGVに参加する”と発表、劇的にカン・ドンウォンがGV出席を成し遂げて事件が一段落するようだった。 しかし事件当事者であるナム・ドンチョル プログラマーがカン・ドンウォンのGVが終わった後予定された公式記者会見を押し切って“所属会社側が嘘をついている”と主張してまた再び火種が広がった。 以後事件のまた他の軸であるCGV側がカン・ドンウォン側の主張に力を与えて事件が静かになった状況. この日映画撮影中に急にGVに参加して“(釜山(プサン)に)よくきたのかどうか分からない”と気まずく笑うカン・ドンウォンの疲れた表情で精神的苦労を見ることができた。 一連の事件の中でも観客との約束を守ったカン・ドンウォンに<HIGH CUT>からの激励賞を授与、
behind story&movie tip
5日記者たちと会ったイ・ヨングァン釜山(プサン)国際映画祭委員長は“これ以上映画祭次元の対応はない”として“カン・ドンウォンとは後ほど誤解を解く機会を作る”と明らかにした。 論議により本来作品が注目されることがなかった<ザ・エックス>(監督キム・ジウン)は全面だけでなく左右壁面までスクリーンを活用する世界初の技術で作られた短編. 上映館3面に映像が具現されてカン・ドンウォンの派手なアクションと追撃戦などで優れた没入度を誇る。 10月中公開.
(+)この日の東京の気温は25度. スタッフの何人かは半袖を着て、‘サングラスを持ってこなかった’と後悔した。 だが、カン・ドンウォンは毛付き帽子とダウンが入っている真冬のジャンパー9着を着替えなければならなかった。
この日のヘアーコンセプトは‘少年ドンウォン.’完成されたヘアースタイルを見ていて彼が言う。 “私のあがきじゃないの?”(笑い).
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