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壊れたニッポンを治す為の処方箋#3:1月6日の日経の論文「日本の大学よ変れ」の重要性(その2)

2025年02月11日 11時07分19秒 | 社会全般
9日にアップしたBlogの続きである。先ずはそちらを見て頂きたい。
”https://blog.goo.ne.jp/s_and_m_consul/e/3cae9b5c6d77462850c94f5797e8fba8”

記事へのリンクはこちらです。”https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD195PA0Z11C24A2000000/”

4つ目の問題点は、教育課程の縦割りであり、これが日本の大学の一番の問題点であろう。

アメリカでは通常全ての学部が同じキャンパス内にある為、教養課程は様々な学部の生徒が一緒に受講する。その為受講生の数が多くなり、複数の時間帯で授業を行っているので、選択肢が高まる。またこの時点では、学部を必ずしも選択する必要がない大学もある様だ。そして一旦特定の学部に入学した後でも、学部の変更は簡単に行える。

このアメリカの制度には大きなメリットが二つある。その一つは、様々な学部の生徒が一緒に授業を受けられる事で、色んな学生と交流を持てる事である。大学生活はある意味多様な人達と交流する場であり、色んな刺激を受ける場でもある。それが単一の学部内のみで教養課程を受けたら、様々な人達との交流による多様性の理解は限定的になってしまう。

そしてもう一つの大きなメリットは、学部や学科を大学に入学してから決められる事である。高校の時に自分が進むべき学部や学科を見つけられる事は至難の業である。仮に見つけられたとしても、それに自分に適合しているかどうかは、やってみないと分からない面もある。そういった意味で、ある程度トライする機会を得られるのが、アメリカの大学の良さである。まだ複数の学部・学科の授業を受け、学位も得る事ができる事も大きなメリットである。

日本の大学ではこの様な機会が無い。なので、大学へは進んだが、自分のやりたい事ではない、または自分に向いていないと気づいた学部・学科で勉強する学生は大変多いのではないだろうか?そうなると、4年間学んだ事はあまり社会人になって役立てる事が出来ない事を意味する。これは大変もったいない事であり、日本の社会にとっても良く無い事である。

自分自身、最初はコンピュータサイエンスの学部に入学したのだが、途中で自分に向かない事を悟り、工学部の経営工学科に変更した経験がある。この学部を変更した事は、自分にとって最適な判断だったと今でも思っている。そして今は広義でコンピュータ関連の仕事をしているが、細かいコンピュータに関する事については疎く、マネージメント力で社会に貢献している積りでいる。

この論文の最後には、これらの問題を解決する為の方策として、「突破口になり得るのは教育の実態についての把握とそれを基礎とする情報公開だ。」と言っている。そしてその情報とは、「教員1人当たりの学生数、大教室授業の割合などの指標を大学間で比較すること」と書いているが、これは10年程前に検討されたが、現状は骨抜きにされていると云う。

これは大学が切磋琢磨し、向上していく事を拒んでいると云う事になるが、誠に残念である。是非この評価制度を復活させ、日本の大学をより良い教育機関に変えて欲しいものである。
コメント
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