冬休みの間、悪ガキ達はうちに来なかった。
クリスマスやお正月で買ってもらったゲームで
ゲーム三昧だろうな、
と、思っていた。
三学期も始まり、しばらくすると、
なんの前触れもなく、再びあらわれた悪ガキ達。
「久しぶりだね~。ゲームばっかりしてたんじゃないの?」
って言うと、
「テストがあってさ~、テスト終わるまで遊んじゃダメだって
親に言われて来れなかったんだよ。
今日やっとテスト終わったんだ!」
だって。
ちょっと意外だった。
「でも、お母さん見てないときはゲームしてたよ。」
まあ、そうだろうね(*^▽^*)
そんな彼らについて、少し思うところがあるので、
今回は、それを書こうと思います。
悪ガキ達のことを知らない方のために、
ちょっぴりこれまでの経緯説明します。
私は、去年の夏から、
子どもの居場所を作ると決意し、
自宅の庭を開放しました。
大工道具や廃材を用意し、
庭に秘密基地を作ったり、
たき火をして、食べ物を煮炊きしたり。
集まって来た近所の子ども達。
その中に、悪ガキ三人組がいるのです。
言葉遣いも態度も乱暴で、
それまで平和に遊んでいた子ども達を押しのけ、
ここは自分達の遊び場だぞ!って言わんばかりに
好き勝手にする。
物は壊すし、
大工道具は出しっぱなし。
けんかして切れて馬乗りになって殴る蹴る。
大人が居ないときに、
勝手に火をおこしてたき火してたり、
とにかくすごい子ども達。
でも、一方で、
憎めない子どもらしさと、
遊びを作り出すことに対しては天才的な才能があるのです。
大人では考えつかないアイディアをつぎつぎ出して、
びっくりするようなことをする子達なんです。
彼らがいることで、遊びは飛躍的におもしろくなり、
刺激的になるのです。
そんな愛すべき悪ガキ達ですが、
共通することがあります。
それは、お父さんがめちゃくちゃ怖いらしいと言うこと。
お父さんが怒ると手や足が出る。
だから、お父さんのことは、ものすごく怖がっている。
でも、そのせいで、
腹が立ったり、自分の思い通りにならないと、
悪ガキ達も手や足が出ます。
父親に顔を蹴られたりもするから、
けんかすると顔を蹴る子も。
だって、怒ったときは、暴力ふるうって、
からだで覚えてきたんだもん。
「顔はやめなさい!」
というと、
「だって、俺のお父さんだって、おこると顔蹴るよ」って。
でも、そんな彼らも、お母さんのことは大好きなのがわかります。
4歳の息子が私に甘えておんぶしてくると、
「いいな~。でも、おれ、あかちゃんいるから、甘えないんだ。
お母さんにくっつくと、あっちいってって言われるし。」って。
ちょっとせつないな~って思います。
最初は乱暴な子達が来て、困ったな~って思ったけど、
彼らを見ているうちに、
彼らが愛おしくて仕方がなくなりました。
悪ぶってるけど、子どもらしくって、
口も悪いけど、カラダで体当たりしてくるし。
4,5年生だけど、まだほんとは親に甘えたい。
でも、それが出来ない。
甘えたいなんて、かっこわるいとこ見せたくないから、
精一杯かっこつけて、悪ぶって、
強く見せようとしているのがわかってしまうと、
強がってる彼らが、かわいく見えて来ちゃうんです。
彼らのことを知ってるお母さんから、
「乱暴で口は汚いし、物は壊すし、
あんな子達の好きにさせちゃダメよ!
よく許してるね」
って言われたこともあるけれど、
学校でも、家庭でもあまされてて、
怒られ続けてきて、
怒られることには全然こたえない彼らが、
ありのままを受け止めてもらえる場を
見つけたと思ってうちに来てくれるのなら、
彼らを全面的に受け入れようと思っています。
子どもには、受け入れてもらえる場が必要です。
それがほんとうは家庭であって欲しい。
毎日忙しくって、子どもも大きくなってきたし、
手も離れたから大丈夫。
もう自分で何でも出来るでしょ、って思うけど、
いくつになっても、
自分のこと大切にしてくれる人がいるって事が、
子どもにとって、大きな安心感と、
情緒の安定に大きく関係していると思うのです。
手をかける必要はない。
目をかけ、こころをかけてあげて欲しいのです。
子どもの出来ないことばかりに目を向けず、
出来ることを認めてあげて欲しいのです。
かつて、今は高校生の長男が小さい頃、あんまり褒めすぎて、
すごいね!ばっかり言ってたら、
天狗になっちゃうんじゃないかと心配した時期もありました。
心配無用でした。
人に迷惑をかけないように育てようと思うあまり、
随分しかりました。
感情的に怒りました。
そのたび反省しました。
でも、怒りすぎても、ちゃんと、ほんとは大好きなんだよって
伝えてきました。
なんの問題もなく、やさしい子に育ってくれました。
長男は、買ってあげたラジコンを
かたっぱしから分解してしまう子でした。
そんなにたくさんは買ってあげられないけど、
誕生日やお正月など、特別なときにはラジコンを買いました。
中学校に入って、自分でパソコン作ると言って、
パソコンを作ってしまいました。
高校生の今、
好きなギターにLED埋め込み、ネットで注文とってお金を稼ぐようになりました。
将来はギター職人になりたいと言っています。
それで稼いでいけるかどうかはわかりませんが、
自分の”好き”を仕事にすることを本気で考えています。
勉強して、いい高校、いい大学行って、
いい会社に勤めることだけが幸せじゃない。
好きなことを仕事に出来るなら、そんな幸せなことはない。
お金にはならないかもしれない。
でも、経済的に豊かなことだけが幸せではなく、
いかに満ち足りた人生を送れるか、
そんなことも、子ども達に伝えていきたいと思っています。
ありのままを認めてあげる。
その子の”好き”をちょっとだけサポートしてあげる。
それだけで、
子ども達は、自分の夢を見つけていけるのかもしれない。
みんなと同じ、型にはまって、
誰にも迷惑をかけない子が幸せなんじゃない。
個性豊かで、自分にしかない物をもってる事に気づけたら、
それだけでその子の可能性は明るく開いて行くのかなって思います。
ちょっと話はそれましたが、
最低限、人を傷つけないとか、物は大切にするとか、
注意すべき点は厳しくしなければならないこともありますが、
ただ感情のままに怒るんじゃなくて、
大切なあなたに向けてのメッセージとして愛をもって伝えたら、
そのときは、聞いてないふりして目をそむけるけれど、
ちゃんと分かってくれるように思います。
甘えたい、愛されたい、自分を見て欲しい、
そんな彼らの想いを満たしてあげられるように、
根気よく。すこしづつ。
その子の可能性を信じて。