5年ぶりにバッタリー村へ行ってきました。
バッタリー村とは、岩手県久慈市山形町にある戸数5戸の集落の通称。
昭和60年7月、
「この村は与えられた自然を生かし この村に住むことに誇りを持ち
一人一芸何かをつくり 都会の後を追い求めず 独自の生活文化伝統の中から創造し
集落の共同と和の精神で 生活を高めようとする村である」
というバッタリー憲章を制定し、開村しています。
バッタリーというのは、沢水を利用して木製の脱穀・製粉装置を動かす”鹿威し”のような
形の水車の一種です。これを復元し、村のシンボルとしています。
私達夫婦は、かれこれ18年前の学生時代から(当時はただの先輩後輩の間柄)
サークルの仲間とともに遊びに行くようになりました。
炭焼きや、豆腐・ほどもち等の郷土食づくり、木皮細工、草木染め等のモノづくり、
生活民具づくりなどの昔からの伝統技術を「体験プログラム」に変え、小中学校の
体験学習なども含め、多くの団体の受け入れもしています。
でも、プログラムの内容うんぬんよりも、バッタリー村という空間、ここでの生活、
人との交流、これが何よりも心地よいのです。
だから、全国各地からたくさんの人が訪れ、さらにはリピーターがすごく多いし、
中にはしばらく住み込んで居着いてしまう人なんかもいます。
村長の木藤古徳一郎さん。センス抜群のものすごいアイデアマン。
伝統文化を大切にしつつ、様々な新しい要素も取り入れながら、
次々にモノや企画を生み出します。
近頃は、数年に1度しか行かない私たちですが、いつでも暖かく
迎えてくれます。本当にうれしいです。
感謝祭に私たちが着いた頃には、「第6回全国縄ない選手権大会」が
行われていました。
初心者部門と経験者部門、団体戦があり、2分間でどれだけ長くきれい
になえるかを競います。
初心者部門は大体60~80cmくらいが多かったですが、
こちらは経験者部門。魔法のようにするすると手のひらから縄が生まれていきます。
一番長い人で、なんと4mを超えていました!
なんとも野性味あふれる囲炉裏。タイトル「縄文の叫び」だそうです。
草木染めの作品。この木は、ツリーハウスになっています。
これは、豆腐づくりで大豆をつぶすのに使う石臼。
バッタリーといえば豆腐田楽。にんにくみそを塗って囲炉裏で焼いて・・・
最高においしいのです。
残念ながら、豆腐田楽の写真を撮るのを忘れました。
炭焼き小屋。
この辺は、昔から木炭生産が盛んな所でした。
茅葺きの民家を移設した「生き生き創作館」。宿泊する場合はここを使います。
裏には牧草地。かつては、日本短角牛が草をはんでいました。
そしてこれが名物の五右衛門風呂。前の池から水をひいて、山から薪をとってきて
炊いて、遊びに来れば必ず入りました。
村の入り口にあり、最初に目に入る建物。
10数年前、私たちが遊びに来たときに、木藤古さんから「木を使って
何かこの建物に飾りを作って欲しい」と言われ、顔を作りました。
これを見た木藤古さんは、大変喜び気に入ってくれて、その後、新しく
何かを作るとどれにもこの顔の模様を作るようになりました。
私達がよく遊びに行っていた時は、その時その時にやりたいことを見つけて
のんびりすごしていました。縄ないをやってみたり、豆しとぎを作ってみたり、
周囲の山や川を探検したり。
あとは、行くと大体、木藤古さんから、「こういうのを作ってくれないか」と
たのまれたりします。小屋を造ったり、山の中に遊歩道を整備したり、看板を
作ったり、沢に丸太橋をかけたり・・・。バッタリーの生活に必要なものを
私達をうまく利用して作ってしまうのです。
ちなみに、私がバッタリーで最初に行った作業は野外トイレ用の穴掘りでした・・・
そのようにして、私達だけでなく、たくさんの訪れた人達が、労力とアイデアを
村に残していくのです。
自分達が額に汗して作ったものが村に残っているので、また来たくなるわけです。
日帰りじゃなく、次は泊まってゆっくりすごしたいなあ。