スローライフ~子どもと楽しむスローな時間

4人の子ども達と楽しむ自然な暮らし。子供達は、自然の中で生きる力をつけています。
日々の暮らしの様子を夫婦で綴ります。

悪ガキ三人組

2014-11-02 22:24:09 | 子どもの時間

<二人の少年>

ある日突然庭に現れた二人の少年。

彼らは、夏休み前にクワガタ取りに来てた子達だった。

「あれ?なんか見たことある人だ!」

「何ここ?すげえ。」

「誰が作ったの?」

矢継ぎ早に質問してくる子供達。


「ここ、好きなように遊んでもいいよ。」

「この小屋は、お父さんが子供の遊び場にするために作ったんだ。」

「いつでも、遊びに来ていいよ。」

と答えると、

「小屋、入っていいですか?」

「犬、触れる?」

 一応礼儀正しく聞いてくる子供達。

 なんで隣の空き地から出てきたのか聞くと、

どうも、まだクワガタいないか探しに来たらしい。

だけど、クワガタはいないし、川沿いは工事中だし、

ぶらぶらしてたら、うちの隣の空き地を見つけ、

空き地に入って奥まで行ったところで、

うちの庭を発見したんだとか。

うちの庭は、川沿いからはそんなに目立って見えないので、

偶然うちの庭を発見したというのも、すごい出会いだな、

と思ったのでした。

二人は、

 「小屋の中を掃除してあげる」

 「俺たち、掃除得意なんだ!」

「ほうきありますか?」

 と言って、もくもくと小屋の掃除を始めた。

 娘が、友達とちらかしっぱなしにしていた小屋の中は、

 見違えるようにきれいになりました。

 

「なんか暗いな〜」

と言うので、手回しのランタンを渡すと、

「これ、いいね〜」って。

かけるところが欲しいというので、

釘とトンカチ渡して、

「適当に釘打っていいよ」

というと、早速、トントンやり始める。

「小屋に、鈴とか、ベルとかあればいいのにな〜」って言うので、

風鈴を渡すと、「お、これいいじゃん!」って、

また釘で風鈴打ち付けて。


「前のと、今のと、どっちがいい?」って聞くので、

「今の方がいいと思うよ。」

っていうと、満足げで、一通り遊ぶと、「じゃあね〜。」

と、風のように去って行ったのです。


《悪ガキ三人組》

その子たちは、それから毎日来るようになった。

一人は、ボス。大人が怒るのなんかへでもない。

かっとなってキレると、手も出る足も出る。

ただ、突拍子もないアイディアで、次々遊びを考え出していく子。

もう一人はスネ夫。

同じように、大人の言うことはちっとも聞かないし、

調子に乗ると、危険なことまで平気でやらかしちゃう子。

そして、彼らに連れられてやってきたジャイアン。

体格がよくて、乱暴者。長い棒を振り回して威嚇したり、

他の子達は、びびってしまいます。

 

そんなスネ夫が、

小屋の中に置いてあった一斗缶を見つけて、

「これなんですか〜?」

と言うので、

「ロケットストーブって言って、木が、よく燃えるストーブだよ。つけてみようか?」

と言って、剪定した木切れを差し込み、火をつけると、

じきに、ゴ〜という音とともに勢いよく燃え始めました。


スネ夫は火に魅了され、息子とともに、

木の枝の先に火をつけて遊びだします。

振り回したり、他の子に火のついた枝先が行くと危険なので、そ

の辺は声かけながら、注意しながらの火遊びです。

スネ夫はその後も、「火つけて〜」と、火遊びにはまってましたが、

「大人がいる時しか火はつけられないし、私が忙しい日は、火はつけないよ」と伝えました。

それからは、ノコギリとトンカチと釘を買い足し、端材をもらってきて、

子供たちに自由に使わせました。

男の子がまず作るのは剣。

みんなで競うように剣を作りました。

悪ガキ三人組の他に、

もともとうちに遊びに来ていた近所の子達も再び来るようになり、

多いときで11人の子どもが庭に集まるようになりました。

ノコギリの使い方がうまくなかった子も、コツを教えると、

だんだん上手くなっていきました。

でも、悪ガキ三人組が来ると、

遊び場は彼らに仕切られ、

プレイハウスも彼らの物のようになり、

我が物顔で好きなように作り替えてしまいます。

そのうち、

「あいつらなんか来なければいいのに・・・」

と言う声が聞こえるようになりました。

 

つづく・・・



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