スローライフ~子どもと楽しむスローな時間

4人の子ども達と楽しむ自然な暮らし。子供達は、自然の中で生きる力をつけています。
日々の暮らしの様子を夫婦で綴ります。

秘密基地

2014-12-01 12:26:34 | 子どもの時間

<秘密基地作り>


悪ガキ三人組が来るようになり、それまでうちの庭に遊びに来ていた近所の子達の遊びは変わっていきました。


毎日のように新しい遊びを考える悪ガキ達。


言葉遣いも態度も乱暴で、道具や木の使い方も雑で乱暴だった。


ジャイアンは、剣を作れば振り回し、だれかれ構わず戦いを挑む。

怖がるちびっ子とおとなしめの子達。


そんなジャイアンは、初めてうちの庭に来たときに、

「この土地、何円するの?」

「俺、大人になったら、こんな庭付きの家買って、

子どもの遊び場作る!」

と言ってくれた子です。


その言葉を聞いたとき、すごくうれしかった。



「この子達には、次なる何かが必要だね」

と、主人と話していました。


庭にはサクランボの木が2本あり、

一本は、小さいながらもたくさん実を付ける木で、

もう一本は、大きい実がなるけど、

うまく受粉しなくてほとんど実をつけない木でした。

 

植えてから10年ほど経ち、木もだいぶ大きくなっていたので、


2本の木を眺めながら、


「実があまりならないこっちの木に、秘密基地を作らせようか!」


と、主人と話し、休日に、どの枝を残すか、

どことどこの枝に木を渡せばいいか、

吟味しながら木を剪定していました。


剪定してる最中、ボスがやってきて、

「何してるの?秘密基地?おれも手伝う!」

と言うので、

「じゃあ、木に登って、そこの枝を切り落として」


 



「次はこの枝」

と、指示を出しながら切ってもらいました。

暗くなってきたこともあり、

「あとは、土台になる木を固定するから、

基地を作るのは、この木を固定した後ね」

と話すと、その日は剪定だけしてボスは帰って行きました。

 

翌日、ボスは来なくて、

代わりに、ジャイアントスネ夫がやってきました。

木の上に土台が出来てるのを見て、


「なにこれ!ここに基地作っていいの?」

と、嬉々として木の上に板を打ち付け始めました。




その日のうちに、釘はあちこち飛び出してるけど、

子ども二人が乗るには十分な基地が出来ました。






「おれんち、じいちゃんが大工だから、大工仕事は得意なんだ!」


と言うジャイアンだったが、彼の打つ釘もみんな曲がっていました。



その翌日、用事があって夕方車を走らせていると、

通りをすごい形相で走っているボスの姿を見かけました。


その顔には、

「ちくしょ~!あいつら、

俺のいない間に勝手に基地を作りやがって!!」

と書いてあるようでした。


きっと、学校で、ジャイアントスネ夫が、


「おれたち、昨日、秘密基地作ったんだぜ!」


って、ボスに自慢したんだろうな~って。

 

用事が終わってうちに帰ると、

子ども達が基地に壁をつけるとか、屋根をつけるとか言いながら、

木の上にさらに板を打ち付けていました。

しかし、壁や屋根は難しすぎて、あきらめたようでした。


こうして、木の上の秘密基地は出来たのでした。





<遊びのルールはどうすれば守られる?>


木の上の秘密基地作りは、

悪ガキ三人組が他の子が来ることを許さず、

彼らだけで作り上げました。

他の子達は、やりたげに遠巻きに眺めているだけ。

仕方がないので、別な遊びを考えます。

しかし、彼らは、終わった後も、道具は出しっぱなし。

木の下には、大量の釘が落ちているし、

のこぎりやトンカチもその辺に投げたまま帰ります。

おまけに、コンクリートブロックをのこぎりで切ろうとしたり・・・。

あまりにも道具を大事にしないので、

ここで遊ぶルールを決めました。



 

『~子どもの遊び場~

ここは、こどもが自由に遊べる場所です。

でも、ルールがあります。

★大人が居るときだけ遊べます。

★大工道具は、大人に、「貸して下さい」と言ってから使って下さい。

★使った道具は片付けてください。

★道路ではあそばないように。』

 

 

もともとうちの近所の子達は、言えばちゃんと分かってくれて、

帰る前にはお片付けをしてくれます。


しかし、悪ガキ3人組は、全く片付けようとはしませんでした。

いつも最後まで遊んで、帰る時間ぎりぎりに、

「じゃあ!」と言って走って帰ってしまうのです。

おまけに、大人がいないときでも、勝手に大工道具を出して使うので、

彼らがどうやったら片付けをしてくれるか、考えました。

 

そんなある日、やっぱりその日も大工道具を出しっぱなしにして、

くぎも散乱させたまま帰った悪ガキ達。

翌日、玄関に出してあるお約束ボードに

怒りの張り紙をしました。



『今日は大工道具は使えません!!

昨日もその前もず~っと大工道具出しっぱなしだから。

今日は火もダメです!!

ルールをまもらないからだよ!』

 

その日やって来た近所の子ども達は口々に、

「おれ、片付けたよ」

「おれ片付けた後に、あいつら使ってたよ。」

と言います。

そこへやってきた悪ガキ達。

張り紙を見て、


「・・・・」


「いっつも出しっぱなにしてるから、お父さんがものすご~く怒って、大工道具貸すな!って言ってたんだよ。最低でも一週間は使えないよ。反省しなければ、もっと使えないし。」

 

それから数日は、悪ガキ達は、道具出せとか、火やりたいとか、

わがまま言わずに、わりとおとなしく遊んで帰って行ったのでした。


一週間経った頃、子ども達には、ちゃんと片付けるか、

確認した後、大工道具を再び解禁しました。

ほっとした子ども達。

それからしばらくの間は、

悪ガキ達も道具を片付けて帰るようになりました。


大工道具を解禁した頃、

火をつけるのも許しました。


火をおこすと、子ども達がとても喜びます。

「なんか焼いて食う!」

「マシュマロ焼く?」

キャンプなどでよくマシュマロ焼きを楽しんでいたのを思いだし、

マシュマロを買ってきて、

木の枝にマシュマロをさして火にあぶります。

ちょっと焦げ目がついた頃がとろ~っとして、

何ともおいしい焼きマシュマロ。


食べ物があるだけで、断然盛り上がるのです。

こうして、庭での遊びも、毎日がキャンプのようになりました。


ルールさえ守れば、楽しく遊べる。


近所の子達はそれを分かってくれました。

悪ガキ三人組は・・・

まだまだこれから事件を起こすのです。


つづく




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