今夜は愛しの森谷真理さんのリサイタルで銀座王子ホール。
1部がブリテンがランボーの詩9篇に曲をつけたイリュミナシオン。
ランボーが愛人ヴェルレーヌとヨーロッパを逃避行して書いた詩で難解だが、P.I.C.S.のクリエイターがこのために製作した映像が歌詞と共に流れるので、イメージが少し湧く。
歌はすごい。声は美しく、声量豊かで響き渡り、難解な歌詞が迫ってくるような感じがあり。
身じろぎもできないで聴いていた。
休憩後の2部はドビュッシーの抒情的散文の4曲から。
聴きながら思った。
こんな素晴らしい歌曲を聴けることって、この先あるんだろうか、いやないだろう。こんなふうに歌える歌手なんていない...
その後がオペラで、マノン、ファウスト。アンコールでタイス。
素晴らしいのひとこと。
森谷さんがマノンやファウストをやるなら、どんなことをしてでも観にいくぞ、とぼくだけじゃなく、みんな思ったろう。
伴奏が始まるとすぐにスイッチが入るけど、歌い終えるとすぐに柔らかい表情に戻り、こぼれるような笑顔で観客に応える。明るく気さくな人柄が伝わってくる。
でも、偉大な歌手だ。
素晴らしい夜だった。