今日はMETライブビューイング「ポーギーとベス」を二子玉109シネマで。
高校生の頃からJazzでガーシュンの曲はたくさん聴き、ミュージカル映画も(TVでだけど)いっぱい見ていたんだけど、ポギーとベスの映画もガーシュンの伝記映画「アメリカ交響楽」も観た記憶がない。
調べたらポギベスの映画はオットープレミンジャーがなんとポアチエで1959年に撮ってる。ヒットしなかったんだろう。
METがやるのは30年ぶりだと聞いて、黒人歌手にもっと多くの場を与えないと、ってゲルブ総裁が決めたんじゃないかと。
この公演は今年の2/1で、ジョージ・フロイド氏が白人警官に殺された事件をきっかけに爆発した「Black Lives Matter」運動はまだ始まってないんだけど。今これを演ってたら、どういう声が出たんだろう。何が起こったんだろう。
そんなことを考えずにはいられなかったから、少し重たい感じで観ていたよ。
と同時に、METを見ているのかブロードウェイを観ているのか分からないような感覚もあり。
ポギベスのこと知らないからwikipeしたら、
兄・アイラと作家デュボース・ヘイワードとの協力によって書かれ、黒人コミュニティの風俗をリアルに描いたフォーク・オペラ『ポーギーとベス』(Porgy and Bess)は1935年にオール黒人キャストという意欲的な企画で初演されたが、初演時は反響は得られなかった。
とのこと。映画と同様ヒットせず。
オペラもミュージカルもシネマも、まだまだ白人中心の世界っだったから、じゃないかなぁ。
そんな時代なのに、こういうオペラを書いたガーシュンって、すごい。伝記映画「アメリカ交響楽」ではどう描かれてるんだろう。
さて内容は、さすがMET、素晴らしかった。
椿姫、ボエームなどなどの定番オペラを、旧演出・ベテラン歌手で、来る日も来る日も続けてたんじゃダメだからね。
オーウェンズは風邪で良くなかった、とはいえポギベスだから、やはり存在感が凄いわね。森繁のバイオリン弾きみたいなもんでしょ。
エンジェル・ブルーはMETが大スターに育てたいんだろうね。さあ、期待に応えられるか?
あとはスポーティングラインのフレデリック・バレンタインが魅力的だった。
終盤の三重唱くらいからすごく盛り上がって。
最後にポーギーがベスを探しに行くエンディングは感極まる。人間は強く、決してギブアップしないって、見せたんだと思った。