アカペラな日々 - "Sakata Coro a Cappella" Since April 9, 2009

合唱団"Sakata Coro a Cappella"で指揮の傍ら作曲・編曲,たまに歌に励むOyaji。の活動&日常

高田三郎作品による傘寿記念特別演奏会「くいなは飛ばずに」に出演したこと

2014年03月18日 | 音楽系(合唱,作曲・編曲など)
昨年,生誕100年だった高田三郎先生..大正2年(1913年)生~平成12年(2000年)没。
平成5年(1993年)11月29日,高田三郎の傘寿を祝い開催された演奏会のライブ盤CD,東京文化会館大ホール。
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・曲目,指揮・伴奏,演奏団体等の詳細が確認できます。
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・買いたい...あれ?出演者なのに何で持ってないんだろうか!?転勤したからか?(笑)

元をたどると,高田門下の全国レベルの合唱団が一堂に会して高田作品を歌った大演奏会だが,コンクールと言えば...
高校生では県大会,OB兼指揮者として出た時も県大会,一般の指揮者として出場して「何とか」東北大会,さらに仙台に転勤し5年目の平成3年には初の東北大会金賞受賞し,全国大会にも"行ってきた"。

そのうえ,自身は平成4年に転勤で県内に戻ったが,前年の実績が買われたようで,一関の東日本合唱祭に「ごほうび出演」,選曲は問題ないからエエやろ!?と思っていたら「今井邦男先生が高田三郎先生の外遊に同行するので,君が振ってくれ」...これで十分に「ごほうび」だったのだが...
さらに翌5年,タイトルの「くいなは飛ばずに」の出演となり「全然一緒に練習できないンスけど」「君なら前日からで良いでしょう(いい加減)」てことで,ダッシュで(新幹線が)東京行き。
曲目は,大好きな(場面が地元・酒田の)木乃伊(ミイラ)が入る「男声合唱組曲『野分』」,「自分の眼」が入る「男声合唱組曲『戦旅』」 の二択だったが,当方の演奏は,不慣れな方の「戦旅」となった。

以下は,あるYoutubeの動画への投稿として寄稿しようとして「止めた」もの。

私は以前より「自分の眼」が気に入り,偶然だが後に高田三郎作品による傘寿記念特別演奏会「くいなは飛ばずに」で「戦旅」全曲を歌った。なかなか難しい詩であり,曲だ。
伊藤桂一氏は,自分が銃を擬した時の,鴨や敵兵の表情と眼が,実は戦地にいて死を恐れ,兵士である自分の心を表す「眼」そのものだ,と書いたのかと思う。銃を撃つ側から死ぬる側に,立場が劇的に変化している。
この(Youtubeの)演奏は,初演の東大,別の広大と同様,戦後かなり経った実体験ない世代のものであるが,それぞれの演奏を「眼」をつむって聴いたとき,心から作者の意図が感じられるかどうか。

ちなみに昭和55年(1980年),阿部昌司氏の指揮で,古い時代の妻の心情や夫婦の絆を描いた「櫛」という曲が山形西高校とOG団体・嚶嗚女声合唱団で全国大会まで歌われたが,高校生の方は消化不良に聴こえた(山形西はNコンとの2冠,選択曲と「白鳥」は絶品と思うが)

さて,合同合唱(などという人員でない合同)は傑作「心の四季」であった。
奇しくも詩は地元酒田出身の吉野弘先生,そして場面も「木乃伊」と同様,地元を意識されたものがある。
さすがに全国レヴェルの大集団でも,簡単に酒田の「味」を出すことは難かったが,仕上がりは上々。
特に第1曲としてイントロ的に歌われ(私の大好きな)「風が」は,作曲家=指揮者が,齢八十にしてまだまだ新しい解釈を求めるがごとく,驚くべき2/2の,快活なテンポだった。

既に故人となられた先生だが,私の記憶も明瞭,これからも学んでいかねば,と思わされるところだ。