菊花開く候となりました。
急に冷えてきたようです。例年なら心地よい十三夜のそぞろ歩きも今年は肌寒さを覚えました。
これは蝶結です。
蝶と菊は付もののようですが10月の菊はもう残菊です。残菊と言うと「残菊物語」を思いだします。お芝居の記憶より映画の記憶が鮮明で菊之助が長谷川一夫、お徳は淡島千影だったと思います。長谷川一夫はこうした役は実にいい味をだして役者の色気が魅力的でした。
まだ子供の頃でしたがこの頃は父に連れられてよく映画を見たようで京マチ子と花柳喜章の「春琴抄」などもとてもよく記憶にあります。最初のナレーションの東山千栄子さんの声を思い出す事が出来ます。きちんと作られたものは忘れられないようです。
ずいぶん横道に行ってしまいましたが、ついでに音羽屋(尾上家)には「よきこときく」と言う模様があります。斧と 琴柱と 菊 の絵でそう読みます。ついでに成田屋(市川家)には鎌と輪とぬの字で「かまわぬ」と言うのがあります。どちらも判じ絵で洒落た趣向です。こうした遊びこそがお芝居の面白いところです。
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