SAKURA ふるきよきうつくしきもの 

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西本願寺本 三十六人家集

2006-02-17 13:49:45 | 
もっと三十六人家集の写真を見ていて頂きたいのですが、ブログなので更新します。

三十六人家集と言う本はいろいろありますが国宝なのは西本願寺さん所有のものです。これは1112年、白河法皇の六十賀のお祝いに作られたとされていて女房達が料紙を作り当時の能筆が歌を散らした優美なものです。
その料紙にはグラデーションをつけた染め紙を三枚、五枚と重ねる重ね継ぎ、(この重ね継ぎのグラデーションを「匂い」と言います。)目打ちでカーブを切取る破り継ぎ、シャープな線を出す切り継ぎ などの技法があり、その上から金銀の箔を散らす豪華なものです。さらに鳥、蝶、柳、菊などの折枝を描き模様で付けてあります。この描き模様もシンプルな図なのに紙面に映えて奥行きを出していると思います。
「伊勢集」「石山切」などは綺麗な料紙で知られていますが、この三十六人家集を切り取ったものです。
田中親美氏はこの料紙の継ぎ紙の技法を復元し、書道家でもあったので古筆の模写もして三十六人家集の復元を完成させました。
2003年3月、国立博物館で「西本願寺三十六人家集展」がありこの時は九十過ぎの父に待ってもらい二度館内を廻りました。
下の写真は「重之集」と「貫之集」ですが、描き模様と散りばめられた箔が分かると思います。書といい料紙といい見飽きない美しさです。私の香道具はこの描き模様と継ぎ紙の意匠となっています。


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