2014年2月22日(土曜日)
ボクと彼が死んでしまうと占われた日まで、あと3日となった。
その日の夜8時を過ぎた頃、彼はボクの部屋にやってきた。
「本当に狭い部屋だなぁ」とは彼は言わなかったけれど、そう言いたそうな顔でボクの一人暮らしの部屋へと入ってくれた。
「では早速、作戦会議をはじめようか?」
「そうですね。」
「あ、もうお互い敬語はやめようよ! 昨日、"友達"って言ってもらえてすごく嬉しかったんだ。俺の方が2つ年上だけど、気にしないで良いから!」
彼はそう言ってくれた。
「はい… あ… うん…」
ボクは嬉しさと驚きで情けない返事になってしまった。
不思議なものだ。
つい数日前まで友達なんか一人もいなくて、早く死んでしまいたくて、でも死ぬ勇気も無くて、だから自分が死ぬ時期を知りたくて、「あなたの最期占い」をやって、その結果をツイッター上でつぶやいたら、全く同じ占い結果が出た人に出会えて、その人と友達になれて、そして今じゃもう死にたくないと思っている。
「とりあえず25日の火曜日は絶対にコンビニには行かない事だね。そうすれば事故に巻き込まれる事もないよね。」
「そ、そうだね。」
ボクの彼に対するタメ口はまだどこかぎこちない。
「ボクが決まって雑誌の立ち読みをするのは毎週月曜日だから、火曜日にコンビニに行く事は無いかな。よほど何か買い忘れて、すぐに必要な物でも無ければ…」
「なるほど。じゃあ食料とかは今から十分に買い置きしておいた方が良いね。あと雑誌の立ち読みも月曜のうちに絶対に済ませる事!」
「うん。分かった!」
彼は言葉を続けた。
「そして君は当日、ずっとこの部屋に引きこもっていた方が良いよ。」
「うん。引きこもる事には慣れてるよ。でもさすがに自分が死ぬといわれてる日に一人でいるのは心細いかなぁ。将平くんも一緒に居てくれない?」
「いや、俺はその日、隣の街のライヴハウスでライヴがあるんだ。だから一緒には居られない。もちろん俺も当日は絶対にコンビニには行かないようにするよ。」
「じゃあ、そのライヴ、ボクも一緒に行って良いかな?」
「もちろん!大歓迎さ!俺が機材とか運ばなきゃいけないから、俺の車で一緒に隣の街まで行こうよ!」
「うん。」
ボクの彼に対するタメ口もだいぶ不自然さが無くなっていた。
(第7章へ続く)
ボクと彼が死んでしまうと占われた日まで、あと3日となった。
その日の夜8時を過ぎた頃、彼はボクの部屋にやってきた。
「本当に狭い部屋だなぁ」とは彼は言わなかったけれど、そう言いたそうな顔でボクの一人暮らしの部屋へと入ってくれた。
「では早速、作戦会議をはじめようか?」
「そうですね。」
「あ、もうお互い敬語はやめようよ! 昨日、"友達"って言ってもらえてすごく嬉しかったんだ。俺の方が2つ年上だけど、気にしないで良いから!」
彼はそう言ってくれた。
「はい… あ… うん…」
ボクは嬉しさと驚きで情けない返事になってしまった。
不思議なものだ。
つい数日前まで友達なんか一人もいなくて、早く死んでしまいたくて、でも死ぬ勇気も無くて、だから自分が死ぬ時期を知りたくて、「あなたの最期占い」をやって、その結果をツイッター上でつぶやいたら、全く同じ占い結果が出た人に出会えて、その人と友達になれて、そして今じゃもう死にたくないと思っている。
「とりあえず25日の火曜日は絶対にコンビニには行かない事だね。そうすれば事故に巻き込まれる事もないよね。」
「そ、そうだね。」
ボクの彼に対するタメ口はまだどこかぎこちない。
「ボクが決まって雑誌の立ち読みをするのは毎週月曜日だから、火曜日にコンビニに行く事は無いかな。よほど何か買い忘れて、すぐに必要な物でも無ければ…」
「なるほど。じゃあ食料とかは今から十分に買い置きしておいた方が良いね。あと雑誌の立ち読みも月曜のうちに絶対に済ませる事!」
「うん。分かった!」
彼は言葉を続けた。
「そして君は当日、ずっとこの部屋に引きこもっていた方が良いよ。」
「うん。引きこもる事には慣れてるよ。でもさすがに自分が死ぬといわれてる日に一人でいるのは心細いかなぁ。将平くんも一緒に居てくれない?」
「いや、俺はその日、隣の街のライヴハウスでライヴがあるんだ。だから一緒には居られない。もちろん俺も当日は絶対にコンビニには行かないようにするよ。」
「じゃあ、そのライヴ、ボクも一緒に行って良いかな?」
「もちろん!大歓迎さ!俺が機材とか運ばなきゃいけないから、俺の車で一緒に隣の街まで行こうよ!」
「うん。」
ボクの彼に対するタメ口もだいぶ不自然さが無くなっていた。
(第7章へ続く)