下記は日経ウーマンオンラインからの借用(コピー)です
「腸活」の強い味方というイメージで人気のヨーグルト。最近の研究では、食事の前に食べることで、肥満や老化対策になることもわかってきた。「ヨーグルト・ファースト」習慣のメリットを、同志社大学生命医科学部の八木雅之教授に聞いた。
ダイエットのために、健康のために、野菜を食べてからご飯やパンなどを食べる「ベジタブル・ファースト」を習慣にしている人もいるのでは? ベジタブル・ファーストとは、野菜に含まれる食物繊維などの成分やドレッシングに含まれる酢や油を最初にとることで、その後に入ってくる糖の吸収をゆるやかにする食べ方だ。
最近の研究では、肉や魚のたんぱく質から食べ始めても、血糖値の上昇が抑えられるとわかってきたが、ヨーグルトでも同様の効果が得られることが明らかになってきた。
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同志社大学の八木教授によると、肉や魚同様、ヨーグルトに含まれるたんぱく質にも、血糖値を下げるホルモンであるインスリンの分泌を促す作用があるという。「より正確にいうと、インスリンの分泌量を増やすGLP-1という腸管ホルモンの分泌を促す」と八木教授は説明する。
さらに注目すべきは、ヨーグルトに含まれる乳酸だ。
「乳酸には、食べたものが胃から小腸に移動する時間をゆっくりにする働きがある。その結果、小腸での糖の吸収がゆるやかになり、血糖値の急上昇が抑えられる。GLP-1にも同様の作用がある」(八木教授)。つまり、ヨーグルトはたんぱく質と乳酸のダブルの働きで、血糖値の上昇を抑えるというわけだ。
ヨーグルトを先に食べることでさまざまな効果が期待できる
乳酸菌に期待するなら食後に食べるほうがよい
糖は、体内でエネルギーを作るのに必要不可欠な物質だが、血糖値が急激に上昇するような食べ方はよくない。「そのような食べ方を続けていると、体脂肪がつきやすくなるだけでなく、肌や骨、血管などの老化も進みやすい」と八木教授。血糖値が急上昇すると、体内のたんぱく質が糖によって変性する「糖化」が生じる。この糖化が進行すると、シワやたるみ、骨質の低下や動脈硬化にもつながるという。
食べる順番を変えるだけで簡単な「ヨーグルト・ファースト」。ただし、ヨーグルトに含まれる乳酸菌などの多くは酸に弱い。生きて腸に届くことで発揮される乳酸菌などの機能に期待するなら、胃酸が濃い空腹時より、食後に食べたほうが効果的。免疫調整作用に関しては死菌でも効果が期待できそうだ。
データ:八木教授, Glycative Stress Research; 5,1,2018に掲載予定
20~40代の男女各10人に、(1)白米150g、(2)サラダ101gの後に白米138g、(3)ヨーグルト200gの後に白米120gをそれぞれ10分以内に食べてもらい、食後の血糖値を経時的に測定した。その結果、ヨーグルトを先に食べた群では血糖値の上昇が抑えられ、下がるのも早かった。
データ:Nutrition Journal;11,83,2012
健康な男女9人を対象に試験。牛乳に含まれるカゼイン、ホエイの2種類のたんぱく質をそれぞれ飲んだ後の、腸管ホルモンGLP-1の血中量は、ホエイが明らかに高かった。(データ:Nutrition Journal;11,83,2012)
八木雅之教授
同志社大学 生命医科学部 糖化ストレス研究センター。
追記:記事が少し古いので失礼します。