子供の頃、
道端の木の葉を追いかけて歩き、
気に入った色の葉っぱを拾っては集め
宝箱の中に団栗と一緒にしまって、
「お母さん、これ絶対見ないでね。」
「見ないよ、そんなの。」
ひとりでこっそり開けては、
作って貰ったスケッチブックを開いて
絵を描いた。
友達が遊びに来た時に、
「ねぇ、いいものあるんだけど、見る?
私の宝物だよ。」
「じゃあ、今度は家に来て!あたしの
秘密の宝物も見せるから」
道端の角に立っては、
「あの角から、
どんな人がくるか分かる?」
「髭もじゃの叔父さんか、
買い物袋を下げたオバサンじゃない?」