今さら私がブログでご報告するまでもなく、
すでに皆さん、ご存知のことかとは思うのだけれど、
金曜の夜から、札幌はものすごーい大雪。
新聞の記事も「ドカ雪」。
59cmって、一晩に降った量で、今はもっと積もってる。
こちらは、土曜の午後の写真。
↓路中していた車は、こんな感じになっている。
この道路、駐車禁止なのだけど、
これじゃあ、駐車違反のシール、貼れないね・・・。
で、その雪の中、旦那さんと母と落語を見に行ってきた。
(方向の違う母とは、バスに乗って来て、現地待ち合わせ)
普段なら、徒歩20程度の道なのに、土曜日は30分以上かかった。
吹雪で、前も、足元も、よく見えないから、ゆっくり歩かないと危ないからね。
(我が家からは、ちょうどよい公共交通機関がない場所で、
おまけに駐車場もないので、車でも行けない・・・)
ブーツの中まで雪が入り(積雪量が多すぎる・・・)、
途中で、靴を脱いで、雪を掻きだしながら歩いた。
防水してある手袋も、ダウンコートも、会場に着くまでにグチャグチャに濡れた。
天候は雪なのだけど、気温はそれほど低くないので、
コートや手袋についた雪が、体温で解けるんだよね・・・。
「タクシーで行ったらよいのでは?」
と思われるかも知れないが、その日は電車もバスも運休が多発し、
そんなときは、タクシーを捕まえる(または頼む)ことなど、
ほとんど不可能な札幌・・・。
落語は、私の好きな『林家三之助さん』。
東京在住だけど、年に何度か、札幌で独演会をやっていて、
我が家も時々見に行く、テレビではさっぱり見ない噺家さん(笑)。
(真打なのにね・・・)
三之助さんが、
「今日は、こんな天気にお運びいただき、ありがとうございます。
この天気が、もし、東京だったら、落語会は間違いなく中止です。
だって、電車も止まるし、車も動かないから、お客様は誰も会場に来ませんもの。
でも、北海道のお客様は、こんな天気でも、皆さんこうして来て下さる。
大変ありがたいのですが、
おかげで、私一人、落語会を中止して、家に帰るわけにもいかず、
ここに、こうして居る次第で・・・。」
と笑いを誘う。
いや、本当に。
ラジオでは、
「不要不急の用事の方は、家に居た方がいいですよ」
と言っているのに、落語を聞きにくる皆さん。
(もちろん、我が家の3人を含む・・・笑)
落語が、「不要不急」かと言えば、疑問でしょう?(笑)。
でも、外を歩ける程度の吹雪なら、北海道の人は予定を中止にはしないと思う。
そんなことをしていたら、学校へも、仕事へも、行けない日が多すぎるから(笑)。
よほどの悪天候でない限り、世界は平常運行だ。
そう言えば、中学生のとき、吹雪の中登校して、耳が凍傷になったことがあったなぁ~。
(もちろん、帽子はかぶっていた)
それでも、学校は、普通にやっていたのだなぁ~。
そうそう。
中学校のとき、もっとひどい吹雪の日が一日あった。
学校は集団下校になったのだけど、生憎、当時私の家は、ものすごい山の上にあって、
私は、一人雪を漕ぎながら、30分ほど先の山の上の家を目指した。
途中、出会う人はもちろんなく、心細くて泣きそうだった。
(でも、泣かない、涙が凍ると痛いから)
そんなとき、山の上から、2人の人影が近づいて来た。
スコップを持った父と母だった。
腰ほどある雪を掻きわけながら、私を迎えに来てくれたのだった。
普通でも、
「こんな悪天候に、私を探しに来てくれるなんて」
と感動するところだろうが、私の感動は別のところにあった。
私の父と母は、恐ろしく仲が悪く(のちに離婚)、
当時、二人が一緒に行動するなんて、全くありえないことだった。
そんな二人が、私のために、力を合わせ、
雪を掻きわけ、掻きわけ、一緒に進んで来るのである。
あり得ない光景を見つめながら、
どれほど自分が、両親に愛されているのか、知った瞬間であった。
(もちろん、当時は私もフツーに思春期で、
親に対し、態度の悪い子であったのは、言うまでもない。)
札幌の大雪のおかげで、ふっと思い出した父と母の思い出。
温かい思い出に免じて、今回の大雪、大目にみてやるとするか(笑)。