今日は文化の日。各地区で多彩な催しが開催され、それぞれの文化教室の発表の場でもある。遊佐町の民俗芸能公演会は51回目を数え、生涯学習センターは満席だった。女鹿のアマハゲと滝ノ浦のアマハゲが上演され二つとも一番人気だった。アマハゲを怖がる子供の泣き声に、拍手喝采だった。
北平田地区では、水墨画や小品盆栽、手芸の展示にカラオケ教室発表会。マーチングバンドは岸洋子さんの「夜明けの歌」「希望」で盛り上がった。餅もふるまわれ大勢の地区民が楽しんだ。何と言ってもメーンは「庄内出羽人形芝居」の公演だった。庄内出羽人形芝居は、今年の庄内文化賞を受賞している。
東北は人形芝居の宝庫だった。約130年前に雪に閉ざされた農民娯楽として鳥海山麓で始まった与八人形が、「猿倉人形」として東北、北海道、関東、甲信越の各地で広がっていった。「猿倉人形」の伝統ある高度な技術を継承し、それが先代の津盛柳太郎によって一層磨かれた独特の芸風になったものが今の「庄内出羽人形芝居」である。初代津盛柳太郎は秋田県矢島の生まれである。当時は、「花王名人劇場」やNHK、TBS、YBC等に数多く出演し絶賛されていた。二代目津盛柳貳郎(本名 斎藤均)が母親の縁で会社員をしながら修行を続け、現在唯一後継者として「庄内出羽人形芝居」の伝統芸能を守っている。
庄内弁丸出しの人形芝居は、色気あり、笑いありの楽しい芝居で娯楽の少なかった往事をしのばせるには十分すぎる。長く継承して欲しいと心から願う次第だ。