東京都千代田区神田一丁目にアンテナ定食屋「フクモリ」がある。開店は昨年の5月。湯の浜温泉の「亀や」上山温泉の「葉山館」天童温泉の「滝の湯」などが共同出資して出店し、山形直送の食材を使った定食屋である。口コミやメディアを通してじわじわと人気が広がり、行列の出来る店になったと言う。
先般、東京出張の際三人で行ってみた。店の入り口に、黒板にチョウクでメニューが書いてあった。なるほど山形食満載である。季節の山形野菜いろいろ、名物玉こんにゃく、平田牧場のソーセージ盛り合わせ、だだちゃ豆ころっけ、庄内三元豚、山形牛ハンバーグ、山形の魚いろいろ、弁慶飯、はららごご飯と山形で普通に食べている食べ物ばかりである。数十席ある席は、東京の若い女性を中心に満席である。山形食材が都会人の胃袋に浸透して行く様は痛快である。「フクモリ」の店名は「幸せ一杯のご飯を盛る」とのコンセプトで名付けたと言う。小学六年生のアンケートで、地図上の山形県の認知度は40,8%で全国ランキングで17位である。山形県をもっと知って欲しいと願いたいものだ。
ところで我々三人は、銀鱈醤油漬け定食と三元豚焼肉定食、山菜そば定食と三様になった。どれも旨そうである。定価は一人前千円、しばしの食談義に花が咲いた。山形の良さは知らぬ所で静かに潜行しているのかも知れない。