危機管理のアナリスト志方俊之さんの講演を聞くことが出来た。危機管理は国家最大の使命であり、言い訳が許せない瞬時の判断とガバナンスが要求される。初動のミスが取り返しのつかない大きな災害となり、多数の人命財産が失われることにつながる。福島原発事故は想定外の津波だったと弁明していたが想定外を管理するのが危機管理である。
志方さんによれば、日本は「災害対策基本法」と「国民保護法」に基づいて対応がとられているが、平和憲法を掲げる日本は他国からの攻撃は米国頼みの想定外でそれに対応する法律すらない。しかし想定外の事態にいかに備えるかで発生時の勝負の半分は決まる。自衛隊はいつも想定外の事態に備えて訓練しているからこそ、今回の大震災の救助活動で活躍できた。
福島第一原発の事故で日本の原子力神話は崩れたと同時に、政府や電力会社の危機管理能力の欠如を露呈した面が見逃せない。責任の所在も明確でなく、危機発生時の報道態勢にも問題があった。20世紀は戦争と革命の時代だったが、21世紀は格差拡大と是正の闘争時代になる。国家としての危機管理体制の確立が重要だ。講演の要旨である。
私たちは常に危機と隣り合わせで生活をしている。危機発生時には何を最優先させ動くのか。個人的にも、家庭でも、行政としても常に心がけておかなければならない事である。