今日、転作大豆が芽を出した。今年はこの転作大豆を定点観測し、レポートして見ようと思う。品種は晩種のリュウホウである。リュウホウは東北農業試験場で開発され、平成7年に「粒が豊満である」ことを願い命名登録された大豆で、主に秋田と山形県で栽培されている奨励品種である。大豆は連作に弱く、湿田にも弱いデリケートな作物であり基本は圃場の地下水を下げ、水はけを良くする事から始まる。田植が終わった5月下旬に弾丸暗渠を入れて、トラクターの耕運はスピードを落とし微細粒な耕土を作る。6月4日にトラクターで播種、直後に除草剤を噴霧して雑草を抑える作業を終えた。そして今日の朝、昨日の雨の影響なのか転作大豆が一斉に芽を出していた。神秘的な自然の営みである。
そもそも減反転作は、米余りが始まった昭和45年の全国一斉の1割減反に始まった。過去の米増産運動からの転換である。年々需給ギャップが悪化し今年は山形県の水田の36%が転作している。転作作物は麦や大豆が中心で、大麦の栽培も経験したが、収穫時期と梅雨時期が重なる山形県では無理があった。それで概ね大豆が主流である。米の生産調整は米価維持のためのカルテルのようなものであるが、米価の下落はどんどん進み、農山村とそれを囲む地方都市は疲弊しきっている。のどかで、自然豊かな地方は大都市以上の格差社会を生み出してしまった現実がある。