震災後、東北電力の需給がひっ迫している。寒さが厳しい東北の冬をどう乗り切るか大切な局面に立たされている。山形県も再生可能エネルギーの構築にむけて、専門家を含む学識経験者などで委員会を構成し、本格的に取り組みを始めた。
用水路に設置を目的とした「マイクロ水力発電装置」の実証試験現場を視察した。鶴岡高専名誉教授の丹省一先生を中心に「改良型オープンクロスフロー型マイクロ水力発電装置」の実証実験が旧羽黒町で行われている。簡単に説明すれば、1、5m位の三面コンクリート用水路に、2m位の落差を利用して水車を回して発電する装置である。
ただ、落水位置を可動式にしてある。水車のメンテナンスや水量の変化に対応できる仕組みが取り入れられていた。最大のポイントは、水車の位置を落水地点の内側に設置した事である。この事によって、用水路に流れ込むゴミは、水車の外側の回転と一緒に流れてしまうアイデアだ。草刈りの草や落葉が用水路に流れ込むのは防ぐことが出来ない。
この装置で、出力は3kwの設計だと言う。視察時点の出力は800Wだった。3万kwの発電するには一万ヶ所が必要で、何百億単位の設備費用になる。電力単価では、現実的ではない計算だ。
山形県が発展するには、良質な安定した安い電力が不可欠である。民生用は別にして、工場誘致の最優先課題である。あらゆる検証を急がなければならない。