遊佐町の「遊楽里」で、めじか広域連携交流会が開催された。北海道オホーツク総合振興局の働きかけで、北見管内さけ・ます増殖事業協会の漁業協同組合の代表者の皆さん17人も参加し、総勢70人を超える大交流会である。
基調講演は、日本海区水産研究所の戸叶恒さんだった。興味深かったのは、耳石温度標識放流だった。ふ化中に耳石標識装置で、適温である12℃を瞬時に4℃下げると、鮭の耳石に模様ができる。これは一生変わることがなく、その組み合わせでハッチコードが決まり、ふ化場の特定が出来る。
そもそも「めじか」は、日本海沿岸の河川、特に月光川で鮭のふ化放流された稚魚が、ベーリング海で成長し、母川に戻る前に、オホーツク沿岸の定置網で捕獲され、生殖機能が不完全な鮭の事で、脂肪ののった高級鮭として高値で取引されている。
せっかく孵化放流した鮭が、母川に戻る前に、捕獲されれば回帰率が減少するので規制をしたいのが、ふ化場側の言い分であるが、山形県鮭人工孵化事業連合会の尾形修一郎さんは「孵化事業も定置網も、ともに水産業の発展が本望である」と共生の道を探っている。
最後に尾形修一郎さんの提案があった。「関係する地域が「めじか」の振興策を連携して、具体的に実施するための協議会を設立しよう。ふ化場の老朽化も進み、近代的、大規模なものにしたいと思ってる」
北見管内の今井会長から、「前向きに持ち帰り、北海道全体で協議したい」の返事があり、スケールの大きな交流会になってきた。