とうやのひとり言

佐藤とうや ブログ

放射能汚染と農業

2012年02月19日 | インポート

001 原発事故により、福島県は人類まれにみる苦悩を味わっている。特に、土に生きる農業者の苦しみは、計り知れないものがある。断片的に報道される事だけで、現状の実態は伝わりにくいと思われることから、北平田農業振興会は研修会を開催した。
 福島大学うつくしまふくしま 未来支援センター小松 知未博士の「放射能汚染の現状と食と農の再生」の演題で、約1時間の講演だった。小松博士は、北海道大学農学部出身で29歳の女性。農業経済学が専攻で、放射能の専門家ではない。しかし、25年前のチェルノブイリ事故調査を参考に、放射能と農業の再生へ示唆に富んだ迫力ある講演だった。
 講演の要旨は以下の通りだった。
 
 「政府は絶対安全、全部除染と言い続け、1年がたった。あまりにも遅い。暫定規制値と穴だらけのサンプル調査に、消費者だけでなく生産者も不安を感じている。荒い土壌調査ではなく、100m単位の細かい調査で、先ず実態を公表する必要がある。

 試験的に農地の除染を実施しているが、効果が上がっていない。すべての農地、山林は不可能である。放射能吸収の少ない作物に、キャベツ、キュウリ、ジャガイモ、トマトなどがある。アルコール、エタノールに加工すれば放射能はゼロになる。作付を止めたら、農地は元に戻らない事を知ってほしい。
 何よりもあきらめないことが大切で、科学的な分析と、食品モニタリング本調査により、実態に応じた対応を明確にすべきである。福島大学に農学部がないのが残念だ。作付前に来年の農業の指針を示すべきである。」
 私たちが、何を一番知りたいのか考えてみる必要がある。土壌の放射能は1年1cmづつ地下へもぐっていく。 

コメント (1)
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