都市生活者の憂鬱

今月に入ってから、わけあって色々なお店に行っているのだけれど、その中には「アウトドアスポーツ店」もあった。
国内外の有名ブランドグッズが所狭しと展示されていて、それを買い求める老若男女が引きも切らない。
山ガールという言葉が生まれたけれども、ガールだけでなくバールも、昔なら捨てられたかもしれない山へ、自ら出向く時代になったのだ。
一式揃えて近郊の山へ行くのだけれど、本格的なスタイルで歩くその横を、スニーカーにリュックサックを背負った小学生が駆け足で登っていく場面に行き会ったりする。
かといって、本格的な山へは単独で行く力もないし、道に迷っても磁石や地図（持っていればの話だが）より、ケータイでの”救援要請”が命綱となってしまう。

本格的ヨンクを買っても、本来の実力を発揮させる事もなく、都会のアスファルト道路をストップ＆ゴーさせるだけだし、もちろんタイヤ交換も自らしない。
何かあった時にはJAFへの#8139だけが頼りとなる。

ロードレーサーを買っても、都心の渋滞道路を走るだけ。
もちろんパンク修理など出来ないし、当然セメントの使い方もわからない。
パンクすれば購入したお店まで押していくしかなく、お店から歩ける範囲が行動半径となる。

何千万画素のデジカメを買っても、都会の雑踏をレンズにキャップをしたままぶら下げて歩き、たまに気が向いた花やニャンコを撮影するだけで、撮影後にパソコンで”鑑賞”するだけ。

嗚呼、都会の生活者は、こんなにも一流のグッズに囲まれて生活しているのに、それを活かせる生活が送れないとは、なんて不幸なんだぁ。



長浜市 北国街道