Nonsection Radical

撮影と本の空間

6月3日 大人の顔

2021年06月03日 | Weblog
バブルの頃の雰囲気を感じるためにと買った「若者たちの神々」。
朝日ジャーナルの編集長になった筑紫哲也がインタビューアになった対論集。
時代はまもなくバブルが始まる1984年から85年にかけて。
”もちろん”当時はAJ(朝日ジャーナルの略)を読んでいたのだけれど、若気の至りの時代であるので中身を理解できていたわけもなく、時代の空気を感じ取っていたわけでもなく、なんとなく時代の閉塞感を感じつつも日々過ごしていた。現在から思うと、閉塞感というものは、そこそこ経済が回っている程度の時代に感じるもので、好景気の時やどん底景気の時にはあまり感じない中途半端な雰囲気の事なんだなと。
単行本化された当時も買ったはずなのだが手元にはなく、安い古本なのですべてを再び購入。
35年ほど前のものなので、登場する人物は今から見ればみんな若く、現在も見聞きする人は35年分加齢し、あるいは死んでしまった。
20〜40歳代の人が多いのだろうが、当時は感じなかったが、みんな大人の顔をしている。
老けているという意味ではなく、若者なんだけど大人の顔をしているんだ。
それでも当時は幼いと評されていた連中である。
当時語っていたことが青臭いことだったのか、地に足がついた話だったのかは時代が証明しているのだが、何を感じ何をしているのか言葉で記されているのは重要。
また撮影を担当した朝日新聞社出版写真部の水村孝、林正樹両氏の写真が、これぞ報道カメラマンの仕事という感じで良いんだね。
なんやかんや言いながら歴史に残るカットというのは報道カメラマンが撮ったものである事が多いような気もする。

動画の変換をしつつ寝落ちして仕事は進まず。
老いると何事も少しずつしか進まなくなる。
コメント
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