これらを写したのはもう20年以上前。沖縄の海ん中は、皆さんご存知の通り色とりどり極彩色の世界。
そのころモノクロ写真に凝っていた僕は、あまのじゃくにも水中でもモノクロで撮ってみたいと
思っていて、ある時期はモノクロフィルムを装填して潜っていた事も。
それから少し目線を替えて、白~青~黒って解釈で"モノクロ"を楽しんでいました。
水中では赤い色から順番に吸収されてしまうので、水深が深くなるほど青と黒だけの世界になっていきます。
ストロボを使わないので、当然シャッタースピードとの戦いに。息ごらえしてシャッターを押した後は
いつもゼエゼエ言ってました。少し水深もあって日光が少なかったら、絞りを開き気味でいっても
1/30~1/45秒のシャッタースピード。フィルム一本撮り終えても、ピントに満足いくのは少なかったなあ。
個人的には5mぐらいまでの深さで、日光が差し込んでシルエットが幻想的に残せる光景が好きでした。
当時は今と違って現像が上がって来るまで、仕上がりが解らない。フィルムもいっぱい買って、
大枚はたいて南の島に行っていっぱい写真を撮って、現像にお金がかかってプリントしようものなら
リバーサルからだからこれまた高い!それでいいカットがちょこっとあるかないかだから、
一種の賭けみたいなものだったかな。
気に入ってプリントして残していたものをスキャンしてのアップです。
白~青~黒のグラデーションだけど、デジタルより深みがありますよね。
あ、最後のカットはストロボ使ってます。使用フィルムはKodak PKR。
中川誠十郎 常夏の脳みそ。