今年、自分の中で大きな変化がありました。
それは、「新店」への興味・関心がほとんどなくなったこと、です。
ブログをやっていると、やはりどうしても「新店」に目が行ってしまいます。
なぜなら、新店情報は、需要があり、また「人に伝えたい」というメディア的な欲求に重なるからです。
新店情報を提供する、というのは、たしかにネット界の一つの大きな役割だとも思います。
ただ、僕個人的に、ずっと新店を追ってきて、少し疲れてきました。
疲れてきた、というか、やはり新店って新店(=新人さんのお店)なんですよね。
だから、当然ですけど、洗練されていないんです。
情報的価値はあったとしても、面白くないというか、突き抜けてない、というか。
当然の話ですが、やはり10年、20年、30年と続いてきたお店とは明らかにレベルが違うわけです。
ラーメン店を営み続けるというのは、実に大変なことです。
嫌なことも、辛いことも、危機的なこともあって、その中で揉まれて、なお沈まない精神がなければ、通用しない世界といいますか。
新店は、そういう意味で、やはりストーリーがないっていうか、まだまだこれから、というところなんですね。
さて。。。
この日は、永楽亭に行きました。
僕が個人的に、今、一番癒されるお店の一つです。
ラーメン店、というか、長崎ちゃんぽんのお店。
なんだけど、メニュー的には、昭和の食堂、というか、定食屋さんというか、中華屋さん、というか。
油断していると、絶対に見落とすような場所にある小さな小さな食堂です。
この中に、神的領域に達しているメニューがあります。
パーコーラーメン(864円)です。
ここのパーコーラーメンは、もう、ホント、ジャンク×10000の超ジャンキーなパーコーラーメン。
美味しいとか不味いとか、そういうレベルでの議論が通じないぶっとんだラーメンなんです。
とはいえ、巷で流行のラーメンというわけでもなく、、、
しかも、スープも他のスープとは違う、という、、、
表には出ないけど、知る人ぞ知る、究極のパーコーラーメンだと思われます。
見てください!!!
この、ワイルドでジャンキーなパーコーラーメン!!!
背脂がたっぷり浮いています。しかも、かなり毒々しい味わいです。
ニンニクと化調とタレのしょっぱさがあいまって、超ジャンキーな美味しさが炸裂します。
「うわー、これだよ、これ!!!」っていう。
ラーメンの本来の魅力が、ここに詰まっています。…と思います。
今の新店では、まずこういうラーメンはお見かけしない、と言いますか。
味の系列としては、鎌取の奥にある「一代」の味をさらにジャンクにした系。
なりたけや福たけのような背脂ラーメンに見られる「甘さ」はほとんどなくて、超攻撃的。
美食家や上品な味を好む女性には、絶対に無理な領域(食べれないと思います)。
でも、これがラーメンだよなぁ、と思わせてくれる味。
今、これを書いてて、さらにまた食べたくなってくる、という、この感覚。
パーコーは、注文が入ってから揚げてくれます。できたてほやほやのパーコー。
だから、当然、サクサクでアツアツ。嬉しいですねー、こういうの。
揚げものは、やはりなんといっても「できたて」であることが一番の美味しさ。
冷えた揚げものをいくらレンジでアツアツにしても、このサクサク感は戻ってきません。
で、このパーコーもやはりジャンクな感じで。。。
***
新店にはない魅力が、こういう昭和なお店にはあります。
このラーメンを食べながら、「この味がもし新店で出されたら、どう感じるんだろう?」と考えました。
そうしたら、きっと、「なんじゃ、こりゃ?!」ってなるように思いました。
つまり、新店では出せない味、なのでは、と。
こういう年季の入ったお店だからこそ感じる美味しさ、というか。
味覚もやはり状況に左右されているんでしょうね。きっと。
身体的に疲労しきった僕には、こういう古いお店で、静かに食べるジャンクなラーメンが合っています。
もちろんBGMもなくて、テレビの音だけが響いています。
そういうお店で、ぽつんと一人で、静かに食べるラーメン。
それもまた人生の喜びかな、と。