Dr.keiの研究室2-Contemplation of the B.L.U.E-

「結婚する上で、一番見ておかないといけない相手の一面とは何か」

 

今日、とある人と話していて、考えました。

「結婚する上で、一番見ておかないといけない相手の一面とは何か」。

結婚というのは、一時の感情で決めるものではない、というのが一般的な考えだと思います。恋愛も実は同じだと思いますが、今の時代、「自由恋愛」がずっと支配的になっていて、「恋愛におけるトキメキ作用の原因」など考えることもなく、それに従い、翻弄される恋愛に、強い価値が置かれています。

恋は盲目、です。盲目ゆえに、相手の根本的な精神・知性・考え方・価値などを深く理解することなく、付き合うわけです。そして、本能的な感情に委ねて、盛り上がり、そして、マンネリして、冷めていくんですよね。

長く付き合えば、「惰性」、「同情」、「思考停止」の餌食になり、「もう、そろそろ結婚かな」、というパターンに陥るのが、これまた一般的な恋愛の行く末でしょう。長ければ長いほど、思考停止状態になりますし、現状肯定してしまいますし、別れてまた別の人と関係を一から始めることを億劫に感じ、なあなあの関係で、夫婦関係に突入します。(一般論として)

でも、結婚というのは、「最後の選択」です。「恋愛終了宣言」です。もちろん、今の時代、「離婚」という選択肢もありますし、それほど重く考えなくてもいいのかもしれません。けれど、離婚という選択肢は、とても大変な作業を伴います。単純に手続きが面倒、というだけでなく、多くの人を傷つけ、裏切ります。結婚式に来てくれた全ての人を裏切ることにもなります。具体的には、何万円も大切なお金を二人のために用意してくれたわけです。そして、その人たちの前で、「永遠の愛」を誓ったわけです。誰に対してといえば、神様ではなく、列席してくれた全ての人に。それを「なし」にするわけです。親戚や祖父母、いとこ、親友、恩師等々。離婚は、男女の恋愛の破綻とはやはり違って、たくさんの人を巻き込みます。子どもがいれば、その子どもにも大きな悲しみを与えるわけです。

僕は、離婚反対派ではありませんが、離婚に伴うあらゆる負の側面を考えると、離婚はできるだけ避けたいです。誰も、離婚を前提に結婚しているわけではないと思います。「離婚を前提に、結婚してください」とプロポーズする人がいたら、その人は(ある意味で)嘘をついてません。けど、ほとんどの人が、結婚時には、「離婚などするわけがない」、と思っていると思います。

とすれば、やはり大切なのは、結婚するかどうかを決める時期、そのことに悩む時期になってくると思います。

男女を問わず、「相手のどこを、何を見たらよいのだろう?」、と悩むと思います。「結婚の決め手ってなんだろう?」、とも。

そこで、僕は一つ考えました。

***

結婚する前に、相手をよく見て欲しいと思います。

そして、「この人が本当に一生のパートナーとして、本当に正しいのか」、と問うてほしいです。

その時に、相手が、自分をコントロールし、支配しようとしていないかを、じっと見て欲しいと思います。

夫婦生活で、自分が辛くなるのは、相手が自分の希望や要望を聞き入れず、全部自分の思い通りにならないと不機嫌になったりする人だと分かる時です。「ハンバーグが食べたい」と自分が希望を出した時に、「ダメ。今、自分はハンバーグを食べたい気分ではない。和食がいい」、と言ってくる。それに対して、「和食は勘弁してもらいたい」、と自分が懇願する。その時に、「絶対にダメ。私の言うことを聞いて」、という人は、まさにそういう人です。

夫婦生活は、「譲り合い」で成り立っています。夫婦は、基本二人組のコンビです。どちらかが上で、どちらかが下の関係になってはならない関係です。かつての日本と違い、今は、個々の夫婦が、それぞれ単独で存在しており、夫婦関係そのものが家庭関係となります。その夫婦関係に、優劣、あるいは上下ができてしまえば、それは、地獄の始まりを意味します。

しかし、人間というのは、根本的に、相手を下に置いて、自分が優位に立ちたいと思うものです。そして、相手を支配することに、快を覚えます。支配-従属という関係は、支配する側にとっては気持ちのよいことなのです。

夫婦関係も同じで、相手がそのことに無自覚で支配的な人間であると、「なんで、おまえはわたしの言うことを聞かないのだ?!」、と自分に迫ってきます。結婚後の生活というのは、それこそ、何百、何千もの「選択」を繰り返すことです。どこに住むのか、どういう住居に住むのか、どういう食事をとるのか、何時に起きるのか、お風呂はいつのタイミングで入るのか、どんな家を建てるのか、子どもは何人作るのか、子どもの名前は誰がどうつけるのか、子どものしつけはどうするのか、どういう学校に行かせたいのか、どのような場所に、どのような仕方で旅行するのか、… 全部、夫婦で決定していかなければなりません。

つまり、結婚後の生活とは、日々の選択の繰り返し、ということになります。もちろんその時に、お互いの意見が食い違うことは必ずあるでしょう。「新婚旅行は、南国か、ヨーロッパか」、これ一つとて、大難問です。「私、ドイツに行きたい!」、「ダメだ。ハワイがいい」、そういう喧嘩は序の口です。最初の段階で、ぶつかっているなら、実は平和で、「支配的な人間」は、後からその本性を見せてきます。

「黙って私の言うことを聞け」、「女(男)は黙っていろ」、という圧力を一生受け続けることほど、苦しいことはないでしょう。

だから、衝動的に結婚を決断する前に、きちんと相手をよく見て、冷静に判断してほしいな、と願うばかりです。

僕も日本の男性だから、分かるんです。日本の男性は、基本的に、女性を下にみており、そして、自分の意見が通らないと、さっきだったり、いらだったり、暴言を吐いたりする傾向が強くあります。そして、日本の女性は、それに甘んじる傾向が強くあります。年齢がいけばいくほど、その傾向は強くなります。特に男性は顕著です。

思い通りにいかないのが人生だ、と心からわかっている人、相手は自分とは違うということを常に自覚できている人、相手の意思を自分の意思と同様に大切にできる人、そういう人は、決して多くはないと思います。

結婚の選択は、一生のなかでも、最も注意深くならなければならない選択の一つです。けれど、不思議なことに、最も注意しなければならない選択に限って、思考停止状態に陥り、情動的に動きがちになります。だからこそ、一層、注意深くなる必要があるし、そのことを自覚する必要があります。

基本的に、今の現代の家庭においては、「お互いに一歩引き合って、対話のできる人」が求められます。冷静さ、謙虚さ、思慮深さが、強く求められます。そういう人と結婚できれば、きっと、長い長い夫婦生活も、それなりに機能し続けると思います。(「うまくいく」なんて浮ついた言葉を使う気はありません。それなりに持続的に機能はし続けるだろう、という程度だと思いますので。。。)

今日は、そんなことを考えました。

(僕のみの持論ですが、結婚は墓場、長い地獄の始まりに過ぎないと思っています。我慢、忍耐、辛抱の繰り返しだと思っています。そういうと、「暗すぎるだろ」、と言われそうですが、でも、それがリアルなんだと思います。たくさんの夫婦の方々に、それこそ15年以上聴き続けてきましたので、、、。そういう苦労の連続が結婚だと、お互いが覚悟し合っていれば、そこそこ、苦しみの少ない人生にはなるのではないかな、と)

コメント一覧

kei
ひいさん

コメントありがとうございます。「いい結婚が出来るようになるにはどうしたら良いのか」という問いはとても大切だと思います。引き続き、考え続けたいところですね。結婚とは? 夫婦とは? 家族を生きるとは? きっと答えは各人がひとりひとり出していかなければならないのでしょうけど、、、
ひい
私の祖父母は、昔からとても仲良しでお互いを必用としていて、「結婚は墓場」だけではないと希望が持てます。
今、祖父が癌を患いもう余命数日か数週間と言ったところなので自宅介護(2世帯住宅で私と父母も同居しています)をしているのですが、お世話をされている祖父としている祖母、どちらもお互いに寄り添い感謝しあっているこの夫婦を見て「理想の夫婦」が身近にいる事を幸運に思います。
しかし、上昇している離婚率、愚痴や不幸話で溢れているネットの書き込みを目の当たりにして、祖父母とはどこが違うのか?時代が違うから?成功の秘訣があるのか?私はまだ独身なので、結婚についてたくさん考えるようになりました。
いい結婚が出来るようになるにはどうしたら良いのか、まぁ思いやりや感謝の気持ちだよな、とは思いますが、皆そんな事とっくに頭ではわかっている。相手への愛情を枯渇させずにいられるのか?好きじゃなくなった、嫌いになった、なんて事にならない為にはどうしたら良いのか?などなど考えれば考える程がんじがらめです。
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