赤ちゃんポストは当面の間は残る
リューベックの代表は連邦大統領に文書での申し立てを行った
文責:ザビーネ・リッシュ
メング通りにある「アガペーの家」の代表、フリーデリケ・ガルベは、赤ちゃんポスト設置と匿名出産の権利に対して参加(アンガージュマン)することに間違いはなかったと確信している。ガルベが11月に連邦大統領のヨハイム・ガウク(Joachim Gauck)に文書での申し立てをし、大統領から返事を得たそのすぐ後、家族省大臣クリスティーナ・シュレーダー(CDU)は、彼女(ガルベ)の意図から離れ、国内の匿名出産を禁じ、徐々に「内密出産」によって赤ちゃんポストを無用なものにしていく、と発表した。新たな制度はこうだ。しばらくの間、三年間は、これまで議論され続けてきた二つのヴァリアンテ(同質で変型ヴァージョン)は容認される。それに対し、「内密出産」を新たな手段(提供:Angebot)として打ち立てねばならない。少なくとも、法制度はないうちは、容認されよう。
ガルベ(67)は、「大丈夫です(Das ist in Ordnung)」と言う。ガルベは、娘のユリア・ポラト(43)と共にアガペーの家を運営し続け、緊急下の若い母親たちに泊まる宿の提供とケアを行ってきた。「私は、多くの母親を知っていますし、彼女たちが何に苦しんでいるのかを知っています」。匿名に留まる母親の一部が-14人の子どもが2000年のリューベックの赤ちゃんポストの開設以後に預け入れられた-、自分の子ども宛てに愛のある手紙を書いており、その手紙をアガペーの家に残している。ガルベによれば、たいていの女性は、意識上、自分の下でより別の家庭で育つ方がよりよい、と考えている。ゆえに、彼女の見解はこうだ。「あらゆる母親が、子どもの人生に対して決断する選択肢をもたねばならない」。
7人の孫をもつガルベは、「内密出産」を信用していない。「なぜならば、差し迫った緊急の状況下の女性たちは、内密出産で使われているところの内密を信じていないからです(weil die frauen.. nicht das entsprechende Veatrauen haben)」。内密出産の前提として、この新たなモデルでは、母親の実際のデータは把握され、封筒で密封される。この封筒には、偽名(ペンネーム:Pseudonym)並びに名前(名字ではなく)、子どもの出生日、医療機関名、母親がこれまで診察してきた相談所等が記される。子どもは16歳になると、この封筒の中身を読むことができる。
いずれにせよ、この主題はいつにおいても心を強く動かされる。最近、二度ほど、フランスのテレビ局のスタッフがガルベとポラトのいるアガペーの家を訪ねてきた。ガルベは言う。「フランスには、赤ちゃんポストはなく、匿名出産だけがあります。テレビ局は、私たちドイツのシステムとフランスのシステムを比較しようとしていました」。また、日本の社会福祉学の准教授も訪れたという。「彼は、赤ちゃんポストの本を執筆しており、学生たちに私たちがここでしていることを伝えようとしてくれました」。
2012年、赤ちゃんポストのアラームは、一度も鳴らなかった。それにもかかわらず、ガルベ家の住居は賑やかで活気に満ちている。計15人が現在ここで暮らしているのだ。その中には、若い二人の夫婦が赤ちゃんと共におり、また祖母が娘と孫と一緒にいる。「私たちのコンセプトは少し変わりました」、とガルベは笑みを浮かべて言う。「どれくらいの人が私たちのところにくるのか、楽しみでもあります」。若い母親や家族は、ここで、共同性(Gemeischaft)を学び、そして、子どもとの愛情のある関係性の中で支援を受けていく。
(訳了)
名前は出てないけど、ガルベさんが僕のことをしっかり話していてくれたことに感激しました。
本日、ガルベさんに出版した本を届けに行き、2時間ほどお話をしてきました。
やっぱりガルベさん、素敵だ。心から尊敬する。
今回は、かなりお互いに踏み込んだ対話になったなぁ。
一番嬉しかったのは、僕の名前を完璧に覚えてくれていたことかな。
最後に、「また会えるわよね。そのときまで!」、と言ってくれた。
嬉しかったなぁ。
かつて学生たちと一緒にガルベさんを訪問した時の記事↓
http://blog.goo.ne.jp/sehensucht/e/be185d7971acf3acbab95ec03d415e8c
でも、この頃から、今の状況はかなり変化していて、、、
難しいものです。人生というのは、、、