Dr.keiの研究室2-Contemplation of the B.L.U.E-

もう一つの選挙-最高裁裁判官の国民審査- 学校問題として

2012年暮れ。

日本はすっかり寒くなりました。昨年は「震災」で本当に大変でした。今もその震災の影響で日々の生活すらままならない人がたくさんいます。そのことを決して忘れてはいけないのですが、「風化」しているようにも思えて、何とも言えない気持ちになります。あれだけの被害が出ていたのに、当事者である方々以外の多くの人の中には、もう「遠い過去」のこととして思われているようで。。。

そして、今は「選挙モード」一色。その中で、震災について各党は触れてはいますが、なんとも適当な感じがして、嫌になります。そんな記事もありました。

http://www.iwate-np.co.jp/ronsetu/y2012/m12/r1205.htm

今回の選挙に関して言えば、もう、僕もお手上げです。何が何だかよく分からなくなった。何のために、今選挙やっているのかも分からない。どの政党に投票していいのかもよく分からない。自民党がどうとか、民主がどうとか、第三極がどうとか色々と言われていますが、そういう情報に右往左往され、最後はよく分からない。そして、よく分からないまま選挙日を迎え、なんとなく選挙が終わり、、、

世論調査の意味も分からない。「自民党圧勝」と、プロパガンダの如くに騒いで、民衆操作をして、その通りになる。まさに「茶番」。「想定外」のことは起こらない。このまま「自民党圧勝」したら、いったい何のための選挙なのか。僕的には、もう「世論調査」という意味のない情報を垂れ流すのをやめてもらいたい。意味がないから。思考停止を作っているのが、世論調査かもしれない。この「調査」の意味が分かる人がいたら教えていただきたいです。単なる「洗脳」以外の何の意味があるのか、、、

世間の空気に抵抗できるかどうか。

さて。

今回の選挙で、もう一つの選挙が行われます。知っていますか? 「最高裁裁判官の国民審査」です。いつも選挙に行って、困るのがこれ。何の知識もないまま、選挙に行って、この審査の紙が配られます。そして、よく分からないまま、適当に×をつけて、そのまま投票して、おしまい。興味も意識もないので、その結果さえも知らないままに終わる「国民審査」。

でも、新聞を見ると、この国民審査のための情報が掲載されています。ネットでも見られます。

http://www.h24syuugiinsen.metro.tokyo.jp/examination/images/kouhou.pdf#view=FitV

この記事をしっかりと読んで、投票に出かける人はどれだけいるんですかね?! というか、僕自身、これまでこの記事を読んで選挙に出かけたことがありませんでした(汗)。すみません。いかんせん興味がないもので。。。

でも、ちょっと読んでみました。面白いですね。色んな最高裁裁判官がいるんだなぁって。山浦さんという方は、お人柄まで示されていて、「素敵な人なんだろうな」って思いました。

が、気になる人が二人いました。岡部さんと横田さんという方です。このお二人のこれまで関与した主要裁判の中に、学校問題に関する重要な判決がありました。

例えば、岡部喜代子さん。

「公立中学校の校長が教諭に対し卒業式又は入学式において国旗掲揚の下で国歌斉唱の際に起立して斉唱することを命じた職務命令は憲法一九条に違反しない」

そう判決した人なのです。この人が、国歌斉唱をしなかった教諭に対する校長の命令は違憲ではない、と判断した人なのです。

それから、横田尤孝さん。

「公立高等学校の校長が教職員に対し卒業式等の式典における国歌斉唱の際に国旗に向かって起立し国家を斉唱することを命じた職務命令は憲法一九条に違反しない」

彼もそう判決した人です。

国歌斉唱や国旗掲揚についての個々人の心情は様々でしょう。「二度と戦争を起こしてはならない」と思う教育者は、やはり「国家」や「国旗」に対して少なからず「抵抗感」があります。子どもたちに、「軍国主義的教育」だけはしたくない、と。戦争を二度と起こしたくない、子どもの命をあずかる教育者として、戦争に向かう教育だけは回避したい、その思いが、上の判例に出てくる教員たちの思いです。それは「思想」です。

その「思想の自由」を校長の命令によって打ち砕かれることは、「合憲」なのです。橋下さんも同じ立場ですよね。「公務員なんだから…」、と。

確かに教師は「公務員」です。が、その前に「教師」です。「教師」という職業は、「=公務員」で片づけてよいのかどうか。

「教師なんて単なる公務員に過ぎない」、と考える人も多いでしょう。それを否定はしません。個々人の思想ですから。

でも、「教師は公務員である前に教員である」、と考える人もいます。それも、同じように、否定されてはいけないのでしょうか。

少なくとも、後者のように考える教師は、「熱い教師」です。「二度と戦争は起こしてはならない」と考えるまっとうな教師です。アドルノも言うように、戦争が起これば、すべての教育理念は破壊されてしまいます。

後者のような教師を応援したい人は、(例えば)上の二人には、(判決の責任追及・意義表明として)×をつけることもできる、というわけです。この二人のことはよく分かりませんが、目に見える情報から、僕らの意見表明が可能であるなら、この二人については、校長の判断を認めたということで、異議申し立てはできるのでは?!、と思いました。

他の人たちの「判決責任」を問うことはできると思います。

***

是非、今回の選挙で、もう一つの選挙である「最高裁判所裁判官国民審査」についても関心をもちたいと思いました。

以下の文章も参考まで!

http://bylines.news.yahoo.co.jp/egawashoko/20121214-00022725/

やはり、今のこの状況はよろしくないのでは?と思う今日この頃です。

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