Life is ART!

高齢者施設で活躍しているアートワークセラピスト達の旬な声をお届けします。

札幌のみなさんと・・・

2012-08-26 05:23:17 | 素敵な現場
シニア担当のYokoです。

先週ご縁があって札幌のシニアのみなさんにアートワークを提供して参りました。

これまでもはじめての場所をいくつか経験していますが、本州を飛び出すのははじめて!

ワクワクとドキドキ

準備の段階から札幌で子どものアートセラピーのクラスを主催しているJunkoさんと打合せを何度も行ない当日を迎えました。

札幌の街を一望出来る自然豊かな大きな公園に隣接している施設でした。

訪れた瞬間に「あーーここでこんなワークやあんなワークが出来る!!」と東京では素材を集めるのに一苦労する

自然素材を用いたワークがどどどどっとアイディアが沸き出してしまう程でした。


ワークには男女併せて12名の皆様が参加

テーブルの上には北海道の四季の写真を並べておくと、すぐさま皆様手にとってお話が始まりました。



「四季」春夏秋冬

今回はこれをテーマにご自分の心の四季と出会って行く水彩ワーク


でももちろん皆様から「何をするの??」と質問です。

ここには「丁寧」に更に輪をかけて「より丁寧」にわかりやすく説明をします。

シニアの皆様からこの質問を受けた場合、子ども騙しの回答はダメです。

「絵を自由に描いたりしていくんですよ」「お好きに表現していく時間ですよ」・・・・

これは通じません。 

ここの説明をしっかりわかりやすく伝え、そして私の場合はここでひと笑いが来るように伝えて行きます。

いわゆる「つかみ」です。

このひと笑いの有無がその後の時間を左右すると言っても過言ではありません。

もちろん今回は笑いとそして皆様がうんうんとご理解頂いたうなずき

さっワークのセットアップは出来ました!!


「春夏秋冬」 私たちの心の中に四季があるとしたら「喜怒哀楽」に例えました。

日本は豊かな四季がある。

この四季のお陰で豊かな農作物を育て、文化を育てそれを得て私たちの体と心を育てている。

それと同じように、喜んだり怒ったり悲しかったり楽しかったり

人生の中で幾度も出会い味わうこの「喜怒哀楽」

たった一つの感情だけではなく、私たち誰もがこの4つの感情を味わい生きている。

それらが交差し重なり紡がれ模様となり見事な一枚の織物のようになっているのだとしたら・・・

自分でも見た事のない「私だけの人生という織物」


真っ白なテーブル一杯の水彩画用紙に色や線で形で表して頂きました。

皆さんはじめてとは思えないほどノリノリ!!

下の写真はワークの後一部を切り取ったものですが、どんな時間だったか伝わりませんか??



はっきりと描く方もいれば、色が混ざらないように描く方、混ぜる方、形を描く方

まるで水墨画のように筆で濃淡を美しく描く方

もちろんいらっしゃいましたよ!! 椅子から立ち上がってうーーんと色を伸ばしていく方も!!


ひとりの男性は先日お墓参りに帰ったふるさとの風景を線で描いていました。

故郷にある沢山の思い出 その人を育てた空や風や太陽や川や緑達 そこで味わった沢山の気持ち

最後にお好きな所を切り取る際も、トリミングの枠をカメラのようにしてじっくりと探していました。




またひとりの男性はこうでした。

「怒り」赤い色でギザギザに描いていました。

選んだ箇所をお伺いすると、

「自分はこう怒っているときどうもこんな感じなんだ。他が見えなくなってしまう。

だからそうじゃなくて、こんな感じでいたいなと思って」

淡い緑で丸 柔らかい色合い やわらかい形

それを見たJunkoさんが「爽やかな印象がします」とお伝えすると、少し照れた感じに。。





色合いは男性よりも女性の皆さんの方がはっきりと濃く描いていたのも印象的でした。

確かに女性の皆さんの方がパワーが・・・・(汗)


「さっき携帯のメールが送信できなくて。いつも出来るのに。もう頭にきちゃったのよぉ~」と

笑いながらお話ししてくれた女性は、そのイライラした気持ちの線

だけれどもその下には穏やかな緑色の線 

人は誰だって怒っちゃう時がある。でもそればかりではなくてちゃんと優しさも持ち合わせているのですよね。





とっても静かな女性でした。

ずっとニコニコされて、ゆっくりと静かに描いていらっしゃいました。

作品を皆さんにお見せすると、「あーーー、Sさんらしいわぁ~」と拍手を沢山頂いていました。





お一人お一人感じる事は違う

そして歩んで来た人生も異なる

それは今日描いて頂いた色・線・形のように

私たちのアートセラピーはその事をとても大切にしている事

それは「あなた」という方は世界にひとりしかいない事

空は青ではない事。あなたが感じた事があなたの色である事。

あなたらしさである事。


1時間という時間はあっと言う間に過ぎて行きました。

笑いが沢山起こって、笑顔が沢山あふれて、熱気と優しさに包まれた時間でした。


ありがたい事に最後は拍手喝采を頂きました。

更にお別れの際には握手まで求められ「楽しかったわ」「ありがとうございました」と。

私の心に新しい優しい色がすーーーっと描かれました。

アートセラピーを生業にしてからどんどんと増えていく私の色や線

私もまたシニアの皆さんと同じように人生の織物を紡ぎ続けるひとりなのですよね。

そしてはじめてシニアの現場に参加したJunkoさんもまた・・

サポートで参加してくれた妹さんのSayakaさんもまた・・

私たちは誰もが自分の人生を描き続けていくアーティストなのだと思います。


札幌にはまた訪れる事に!

そして新しいシニアアートワークセラピストの誕生も!!

この秋からまた忙しくなりそうです。。うれしい悲鳴です!!きゃぁ~!!


札幌でお世話になった施設の皆様

そして参加してくださったシニアの皆様

ありがとうございました。

またお会い出来る日を楽しみにしております。




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