Life is ART!

高齢者施設で活躍しているアートワークセラピスト達の旬な声をお届けします。

ラーメンと割ぽう着

2011-05-05 07:21:07 | 被災地へのアートセラピー
シニア担当のYokoです。


先日福島から帰った翌日 私は自宅でお昼にインスタントラーメンを食べました。

おなべにお湯を沸かして、3分煮て どんぶりに移して食べる。

長ネギをたくさん切って 「今日はねぎラーメン」



そのときにふっと


「そうか。こんな当たり前で こんな簡単な事すら 今 出来ないんだ」


こんな普通のことが奪われている


それが今被災されている人たちの現実なんだと。


大好きなインスタントラーメンが この日は美味しく食べられませんでした。


広野町の皆さんの避難場所はホテルです。

和室もあれば洋室もあるでしょう。

大人の方や子ども達の会話から聞こえてきたものがあります。


「壁に物を貼っちゃいけないの」

「椅子はないんですよ。だから机仕事が出来なくて」


ホテルですからね。

壁には確かに貼れないでしょう。

洋室の場合、部屋が狭くならないようにという事で椅子は片付けられているのでしょう。


もちろんキッチンはありませんから、料理なんて出来ません。


朝、みなさんのお食事時間の時に

私たちは食堂の前で挨拶をしながらインフォメーション。


「おはようございます」

「おはようございます」


通り過ぎる皆さん誰もが挨拶を返してくださいます。


そんなたくさんの方が通りすぎる中で 私の目に留まったもの

それは 年配のお母さん方の「割ぽう着」


それはお母さん達の当たり前の日常の服装です。

家事をするのも、買い物に行くのも、お友達とおしゃべりするのも

どんな時でも割ぽう着

多分ポッケにはそんな日常で拾った

輪ゴムとか洗濯バサミとか小銭とかあめちゃんとかティッシュとかがちょっとちょっと入って

洗濯のときに見つけて出しては 「こんな所に入ってたぁ~」なんて言って笑って・・・

あの日が来るまでは そんな風に過ごしていたんだろうな。。


今 その割ぽう着が活躍できる場がありません。


明日から大人向けの支援が始まります。

また明日福島に行ってきます。

柴崎先生の話しでは、ホテルでは普段使われていない調理場もあるとの事

明日からの「切り絵」の先生 

被災されてホテルで避難生活をしている川崎さんのお仕事は料理長さん。

この辺りも今後、何かきっかけを作り出して行けたらと思います。



まずは切り絵と健康教室からスタートです。

割ぽう着のお母さん達もたくさん来るといいな。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿