泉心堂治療院

せんしんどうちりょういん

肉まん修行:その1

2009年06月15日 | Weblog
私が台湾に留学する時に知っていた中国語は「ニーハオ」と「謝謝」だけでした。
数字を一から十まで数えることすらできませんでした。

かなり無謀と言えば無謀ですけど、
台湾では漢字が分かれば、買い物や食べること、街を歩くことにさほど不便はないですし、
英語だって何年も教育を受けてまともに話せるわけでもないし、
付け焼刃で勉強しても意味はないだろうと、そんなに深刻には考えていませんでした。

留学開始から約二週間が経過したある日。
夜食に肉まんを食べようと、
当時通っていた語学学校近くの屋台に寄って肉まんを買ったところ、
肉まん屋の主人が何やら私に呼びかけています。
もちろん私にはそれを聞きとる中国語力はなく、その場で戸惑っていると、
主人は自分の耳を指さしながら「レスリング?」と言ってきました。
よく見ると主人もなかなかゴツい体格です。

よくお相撲さんや格闘家の耳を見ると、ギョーザのようにふくれあがっていることがありますが、
わたしも柔道をやっていたので、分かる人が見れば分かる程度に左耳が少し変形しています。

主人はそれを目ざとく見つけて、あと私の体格から何か格技系の競技でもやっていたのかと思ったのでしょう。
そう考えたわたしは、彼に「ジュードー」とこたえたのでした。
(一応国際共通語で・・・)
すると、主人も「俺もだ」みたいなジェスチャーを返してくれました。

つづく









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