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詩絵里(★シェリー★)の星の囁き達

尾崎詩絵里(★シェリー★)の自作恋愛小説及びポエム、写真専用部屋です。掲載文の引用、転載は固くお断りいたします。

第四十六話「失うもの」青春恋愛小説 恋花~KOIBANA~

2012年07月19日 | 恋愛小説「恋花~KOIBANA~」
恋愛小説「恋花」は、
作者のオリジナルフィクション物語であり、登場する人物、団体名は実在するものとは全く関係ありません。
高校3年生の淡くてせつない恋物語を描いていきたいと思っています♪
純愛をテーマにしているので年齢関係なく読める恋愛小説になっています。

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第四十六話「失うもの」


気がつくといつもは、30分で帰る道を1時間もかけて歩いていた。
家の前に健人が立っている。

「星波・・・ちょっと来い。」
健人が私にツカツカと歩み寄り、私の手首をつかむ。
「庄司・・・悪い、今日は帰ってくれ。星波と話があるんだ。」
「でも・・・海藤先輩」
「帰れ」
健人が押し殺した声で庄司君に告げる。

心配そうな目で私を見つめる庄司君。
まるで迷子の子犬のような
そんな瞳を見つめ返しながら言う。
「ごめん。そしてありがとう。送ってくれて・・・・
また明日、学校で・・・・」
「うん・・・・」

こういう表情をしているときは、健人は、何があっても人の意見なんて聞かない。
昔からの付き合いだ。
それくらいわかる。

庄司君が、今、二人で歩いてきた道をとぼとぼと歩き出す。
まるで飼い主に捨てられた仔犬のように・・・・・

私の手首をつかんだまま、健人は、近くの小さな公園に向かって歩き出す。
「わかったから・・・健人、痛いから離して!」
健人の手を強引に振りほどく。

健人が、私のほうをまっすぐに見据える。
「お前・・・・親に、庄司とつきあっていること、言ってないだろう。」
ビク
私の体の奮えが、肯定の意味を示してしまう。

「さっき、俺が塾から帰ってきたとき、おばさんがちょうど出てきて
星波と一緒じゃないの?
このごろ、あの子、塾から帰ってくるのが遅くなったんだけど、健人君何か知っている?」
って聞かれたよ。

さっきまでの幸せだったぬくもりが、嘘のようにさめていく。

「だって・・・言ったら、反対されそうで。」
下をうつむいたまま言う。

「とりあえず、今日は、わからないところを塾が終わった後講師に訊いているから
遅くなっていると答えておいたけど・・・・
あまりご両親に心配をかけるな。」
「うん・・・ごめん。ありがとう。」

「Love is blind 恋は盲目なり。
でもお前達は、もう少し、周りを見ないと・・・・
いろんなものを失っていくぞ・・・・」
健人が私から視線をそらして言う。

「わかった。」
私は、コクリとうなずく。
何を失うのか・・・・
それを健人に訊くのは怖かった。


第四十七話「太陽の微笑み」へつづく~

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