詩絵里(★シェリー★)の星の囁き達

尾崎詩絵里(★シェリー★)の自作恋愛小説及びポエム、写真専用部屋です。掲載文の引用、転載は固くお断りいたします。

第六十三話「運命の前日」青春恋愛小説 恋花~KOIBANA~

2013年05月21日 | 恋愛小説「恋花~KOIBANA~」
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第六十三話 運命の前日



健人の顔を見たら、絶対に24日に塾をさぼるのはばれてしまいそうだった。

庄司君への誕生日プレゼントは、もう用意してあるし、今日は、どこにも出かけなくて
大丈夫だった。

母親と健人にちょっと調子が悪いと話をし、星波は自分の部屋に閉じこもった。
明日、塾を休むって言ったら、烈火のごとく健人が怒りだすのは想像できる。
怒る顔も、そして言われる言葉も・・・・

らきっと健人は
「お前、模試の前日だぞ?わかってんのか?」
「今度、A判定取れなかったら、また、おばさん心配するぞ。」って言う。

受験生だってわかっている。自分の人生の大切な岐路だっていうことも。
でも、この恋だって私にとっては、大切なものだ。
初めて実った片思いの恋。
健人も紫苑も好きな人、恋人がいないからわからないだけだ。

健人には、メールで微熱があるから携帯の電源を切って少し休みます。
とだけメールをした。そして、もし熱が下がらなければ、24日も大事を
とって塾を休みますと書いた。
健人のことだから、携帯の電源を切ると書かなければ、心配のメールや
ややもすれば電話もかかってくるだろう。

下手すれば、お見舞いにだってきかねない。
あの心優しき幼馴染は、自分の勉強そっちのけで、私が松櫻大学に行けるように
勉強を見てくれている。

健人に、母親に嘘をついた疾しさが黒い炭のように、心を暗く染めていく。

小さいときに母親に言われた。
小さな嘘でも一回つけば、その嘘をつきとおすために、次から次へと嘘をつかなきゃ
なくなるんだよ。
だから嘘はついちゃだめだよ。って

わかってる。
頭では十分わかってる。
でも、心は・・・・

庄司君に嫌われたくない。
今、庄司君を失ったら、私・・・・

初めての恋
初めての恋人
恋を失ったことがないからこそ
恋を失ったことを想像するのが怖い・・・

いくつもの恋愛を経ていけば
失った恋も時とともに色あせて
いつしか素敵な思い出になっていくのに・・・
今の星波にはそれがわからなかった。

本当に体調が悪いわけではないので、25日の模試のために勉強をするが
まったく頭に入ってこない。

庄司君からメールや電話がくると困るので、ちょっと携帯の調子が悪いから
24日は、約束通り9時半に噴水の前に行きますとメールをしてから
電源を切った。

健人にも母親にもそして恋人にも
初めてついた嘘
その嘘がのちに大きな火種になることを今の星波は
知る由もなかった。



第六十四話
「初めての彼の部屋」
へつづく







※恋愛小説「恋花」は、作者のオリジナルフィクション物語であり、登場する人物、団体名は実在するものとは全く関係ありません。

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