足踏み運動時のゼロモーメントポイント

「先日加速度の検査をしていたら、意外なことに気づきました。」

「えっなんだ？」

「今まで足踏み運動のZMP(ゼロモーメントポイント)は以下のようになりましたね。」





「そうだ！これは前からお前が言っていた事だよ。」

「しかし先日加速度の検査をしていたら、自分が思っていた方向と符号が逆になっていることに気づきました。」

「えっ？どういうことだ？」

「つまり加速度センサーがセンサーのプラス方向にプラス0.3Gで移動したとします。しかし表示される値はマイ

ナス0.3Gだったのです。メーカーに問い合わせたら、やはりそのように表示されるそうです。」

「そんなの常識じゃないか・・・・つまりその加速度データにわざわざマイナスをかけて、慣性力＝-1×MgGと計算していたんだな？」

「まさしくその通りです。」

「お前らしいミスだ！それで修正したらどうなったんだ？」

「こんな感じです。」




「ZMP波形の正反が逆になるから、こうなるのは当たり前だな。」

「そうなんですけど、本当にこれでいいのか迷ってしまいました。今まで後重心と思っていたのが、何となく前

になっている・・・・参考文献の歩行データではこのようになっていない・・・」

「もしかしたらこれでいいのかもしれないぞ？」

「しかし歩行の理論では・・・」

「いや～歩行と考えるのは止めた方がいい。もしかしたら足踏み運動は歩行と全く違う運動をしているのかもし

れない。」

「そうですかね？」

「よし！それでは動画画像をよ～く確認してみろ！」

・・・・・・・

「あっ本当だ！患者さんは足を上げるとき、尻を後に突き出す・・・・」

「そうだ！歩行とは逆向き、つまり後方に加速度が発生している。だから前に重心バランスが移動しているんだ

。」

「とんでもない間違いをしていました。」

「もう一度データを整理してみよう。」

ロボット工学を応用した予防医学の研究
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O脚矯正、骨盤矯正ダイエットを画像処理工学で確認

「患者さんの足踏み運動から、様々な特徴を見つけたり、病気の診断に応用していこう・・・前回までこのような内容をお話してきました。」

「今回はどんな話だ？」

「姿勢解析のお話をしたいと思います。」

「姿勢と言うことは止まっている状態だな。と言うことはロボット工学からちょっと離れると言うことだな？」

「そうです。私の治療院で診断に応用しているのはロボット工学だけではありません。画像処理工学も活用しています。」

「それではそれも見せてくれ。」

「先日30代前半の女性がいらっしゃいました。標準の経絡指圧整体を実施した後に写真を画像解析したところ何と身体が引き締まり、Ｏ脚も矯正されていました。」

「おう！それはすごいな！」

「一つの臨床例にすぎませんが、整体でＯ脚矯正、骨盤矯正、ダイエット効果があったことを画像処理工学で確認できました。」

「ところでその写真は？画像処理工学をどのように活用したのか見てみたい？」

「実は本人の許可を得ていないので、写真をお見せできないのです。」

「な～だ・・・それじゃ何の証拠にもならない・・・絵に描いた餅だ！」

「でも事実なんです。もう一度来院される・・・と言うことでしたが、体調を崩してキャンセルになってしまいました。」

「それでまだ許可が下りない・・・と言うことだな！」

「その通りです。申し訳ありません。」

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ZMP（ゼロモーメントポイント)と関節モーメント

「前回は女性の左右加速度が複雑で、これが女性特有の病気の原因になっているのでは？
というお話をしました。」

「女性は左右の加速度、それに伴うZMP(ゼロモーメントポイント)が男性より高周波だったな。」





「そうです。ZMPリサージュを見ると女性は膝、股関節に曲げモーメントやねじりモーメントを多く受けている・・・と推定できます。」





「つまり女性の左右ZMPは男性に比べ高周波のため、その影響が大きいと言うことだ。だから男性より膝や股関節に大きな負担がかかっている・・・・そういうことか・・・・」

「ロボット工学的にはそうです。しかし東洋医学的に考えると、胃や婦人科系にも影響してきます。」

「以前から注目していた左右高周波と婦人科系疾患だな。」

「そうですね。だからどのように整体治療してゆけば良いか？検討する必要があります。」

「最終目標はロボット工学で病気を予測し、整体治療で病気を予防して行く・・・・だな。」

「それが私の考える究極の予防医学、つまりロボット工学を応用した予防医学の研究です。まだまだ道は遠いですね。」



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全力で治療

整体治療にロボット工学と東洋医学を組み合わせた治療法も、少しずつ進歩してきたと思います。
しかし
「私が患者さんにできるのは、本当にこれだけか？」
最近思うようになりました。

私は医師ではありません。
医学的な治療はできません。

そこで患者さんと話し合い、患者さんの趣味や性格を読み取ることが必要になってきました。

旅行の好きな患者さんには、私の紀行の話を・・・
スキーが好きな患者さんには雪の写真、スキー場の写真を・・・
そして患者さんの地元の話をする・・・

等の方法を採用し始めました。
すると・・・

「おう～なかなかいいなぁ～またやってみようかな・・・」

生き生きした言葉がかえってくることがあります。

東洋医学やロボット工学でだけではなく、自分の趣味や経験をも治療に生かしてゆく。
この点も十分頭に入れ、今後も治療を続けていく予定です。



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