ロボット技術を応用して整体!篠崎技術士事務所の日記

身体の状態をコンピュータ解析し、骨盤矯正やギックリ腰などを科学的に分析する新しい整体院です。

ロボット工学による腰痛の診断。

2009-08-31 10:03:02 | 整体のできる技術士として

前回からの続き

ロボット工学の床面重心バランスZMPのスペクトルで、ある程度の診断が可能かもしれない・・・
少しずつ分かってきました。
現代人の多くの悩みの一つ、腰痛の診断を実施してみたいと思います。

「先輩は腰痛は無いですか・・・」

「あるある・・・実は今も腰が痛いんだ・・・・」

「ならば丁度いい!測定と整体治療を行ってみましょう。」

「おい!俺を実験台にするな・・・・」

そして・・・・
「お疲れ様でした。以下の図を見てください。」



「これは?リサージュ図形・・・俺の床面重心バランスだな・・・」

「そうです。左が腰痛あり、右が整体により腰痛が改善したリサージュ図形です。」

「な~だ!同じような形じゃないか・・・・」

「そうです。リサージュでは同じような形です。しかしこれを高速フーリエ変換し、スペクトルでみると・・・」




「上が腰痛あり、下が腰痛改善のスペクトルです。1Hzの足踏みの場合、前後の揺れの周波数はだいたい2Hzです。
先輩の場合1Hzにピーク値が確認できます。つまり足踏み一度に前後に異常な動き・・・つまり腰のねじれが発生していると想定できます。」

「・・・・?」

「よって今回は腰のねじれを取る整体を実施しました。すると異常なピーク値が無くなり、腰痛か改善したと言う事です。」

「なるほどね・・・・これで患者さんの異常を予測し、予防に役立てようと言う事だな。」

「その通りです。今度はもう少しスペクトルを吟味してゆきたいと思っています。」

「面白そうだ!頑張れよ!」


身体のZMP(ゼロモーメントポイント)はカオスか?

2009-08-29 14:16:58 | 整体のできる技術士として
前回からの続き

患者さんのZMP波形を高速フーリエ変換(FTT)すると、ほとんどがピーク値が現れる、離散的なスペクトルが確認できました。
しかし中には一部の周波数領域で連続になったり、ノイズと思われるような状態が発生する事もありました。
身体の計測を行っているので、ノイズが発生するのは仕方が無いと思っていました。
しかしながら診断に影響するので、調査してみる事にしました。

今まで連続的な周波数領域は、周期性の無いノイズとして処分されてきました。
しかしカオス力学では、このノイズの領域にも何か周期性があるのでは・・・・
との考えで研究が進められています。

私は非線形力学は全くの無知ですが、自分なりに考えて調査してみました。
そこで患者さんの床面重心バランスZMP(ゼロモーメントポイント)のリズムとでも言うのでしょうか・・・・
アトラクター線図(リターンマップ?)を作成しました。

横軸にZMP(t)縦軸は少し時間が進んだZMP(t+⊿t)
自己相関図を作成する。
最上二乗平均で直線に近似
相関係数よりリズムを調べる


「このデータを作った目的は何なんだ?」

「患者さんのZMPの自己相関を調べるためです。つまり今現在の運動が、次の運動にどれだけ影響しているか?を調べるためです。」

「回帰直線の傾き、相関係数が1に近ければリズムがいい・・・遠いとリズムが悪い・・・・そう考えていいのかな?」

「そうですね。今の段階ではそうとしか言い切れません。今患者さんの自己相関図(アトラクター線図)をお見せします。」




「左が前後ZMPアトラクター線図、左が左右のアトラクター線図です。」

「しかしノイズを拾っている・・・と言う問題はどうなんだろう?」

「そうですね。そこでノイズ波によるアトラクター線図を作って、比較してみました。」



「左がsinカーブ、真ん中がsin+ノイズ波、右側がノイズ波のみのアトラクター線図です。さすがにsinカーブは相関係数も1に非常に近いリズムのいい動きです。」

「こういう形になったか・・・」

「ノイズ波と患者さんのZMP波形は、明らかに状態が違うと判断しました。それが正しいかどうか分かりませんが、どんな連続的なスペクトルでも必ずアトラクター線図で確認するようにしています。」

「相関係数で診断が出来るかもしれないな・・・・」

「そうですね。そう期待したいです。今調査中です。現時点においてこの問題については、これで終わりにさせてください。」

「・・・・・残念だ・・・・」

「どなたか非線形力学、その他・・・詳しい方がアドバイスしてくれれば助かるのですが・・・このブログで効果が有れば幸いです。」

「しかしコメント一つ無いブログなのに・・・アドバイスを待つのも大変だな・・・」

「ここは気長にやってやってゆきます。
それでは次にスペクトルによる、もう一つの診断法をお伝えいたします。少々お待ちください。」


ロボット工学が病気を治す?

2009-08-28 10:00:30 | 整体のできる技術士として
前回からの続き

女性の左右ZMP(ゼロモーメントポイント)波形のスペクトルが、自分の考えていた形にならない・・・・
男性と大きく違う・・・・
そう考えた私は、女性の左右ZMPデータを調べてみる事にしました。

「股関節の緩み、痛みとスペクトルとの関係・・・」


「下の図を見てください。人工股関節置換手術をした女性患者さんの左右ZMPスペクトルです。」



「足踏み基本周波数の約5倍の位置に、連続的な乱れが確認できます。」

「これは先日見えた大学の先生が言っていた、スペクトルと股関節の関係か・・・・」

「そうですね。そして次の図が先天的な変形性股関節痛の女性患者さんの左右ZMPです。」



「この患者さんは基本周波数の5倍の位置に、大きなピークも見られます。」

「ほ~それで?」

「つまり5倍周波数の乱れや、異常な大きさを持つ患者さんは、積極的に股関節の整体法を実施し、予防しようという考えが生まれました。」

「なるほどね・・・?」

「そして次にこのスペクトルに、東洋医学的考察を付け加えて診断しようと考えました。」

「東洋医学を・・・・どう言う事だ?」

「運動機能である股関節は、東洋医学で言うと脾胃経の経絡に当たります。」

「よく分からないなぁ~どういうことだ?」

「脾胃経の経絡とは、股関節、膝関節、胃、すい臓、婦人科系に属すると言われています。つまりこのようなスペクトルが確認された女性患者さんは脾胃経の病気も考慮して整体する必要があるということです。現にこのスペクトルが確認された患者さんの問診をすると、婦人科系疾患をお持ちの方が意外と多かったのです。」

「よく分からないが、なかなか面白そうだ。これに対する数字での裏づけはまだ無いんだな?急いだ方がいいかもしれないな。」

「そうですね。もしこれが正しければ・・・・」

「結論が早すぎる・・・・」

「スペクトルから婦人科系疾患の予防が出来るかもしれない・・・・ロボット工学で病気の予防が出来るかもしれない・・・・
という事になります。そうすれば・・・・
先日話題になった、余命一ヶ月の花嫁・・・・・
このような人が少しでも救われるかもしれない・・・・そう思ったんです。」

「おいおい・・・ちょっとオーバーな発言だ・・・」

「いいえ、ロボット工学・・・二足歩行ロボットは決してエンターテーメントの分野に止めてはいけません。もっと医学に応用すべきです。
そうすれば様々な病気をロボット工学で解明できると私は信じます。
先輩!これからも私のデータを見てくれますね・・・?」

「分かった分かった・・・地獄の底まで付き合うよ・・・」

「ありがとうございます。それでは次のデータを出します。少々お待ちを・・・・」


ZMP(ゼロモーメントポイント)波形をスペクトル解析せよ!

2009-08-27 11:19:24 | 整体のできる技術士として
前回からの続き

患者さんの足踏み運動時の床面重心バランス(ZMP)を時系列からリサージュ図形で表現。
少しは分かりやすくなったと思います。
しかしこれだけでは不十分だと分かりました。

「何か策があるようだが、その前に何でリサージュ図形だけでは駄目だと思ったの?」

「このリサージュ図形は、安静立位時の平均ZMPを基準にしていると言う事です。つまり相対的な重心歪であって、
絶対的なものではありません。絶対的な重心バランスを測定するには、やはりフォースプレートが必要です。」

「それじゃこれではまだ、正確な重心バランスは測れないということだな。」

「残念ながらその通りです。リサージュ図形では腰部の位置変化と、異常な動きを目視で判断するのみとなります。」

「それじゃどうするんだ?」

「データの信頼性が不十分なら、新たな解析方法を導入し、さらに詳しく分析する必要があります。
そこでZMPの時系列波形を高速フーリエ変換(FTT)してみようと思います。」

「なかなかやるようになったな!FTTを実行して、異常な波を検出し、診断に役立てようと言うわけだ!」

「そうなんです、先輩!以下に患者さんのZMP波形をFTTしたものを示します。」



「ほ~こんな形になったか・・・・それでこれで分かった事は?」

「多くの患者さんは約一秒間に一度・・・1Hzの速さで足踏みをしていると言う事です。
つまり簡単に考えれば、左右に1Hz 前後に2Hzの振動をしている事になります。」

「ほ~そんなデータになったか・・・・」

「いや先輩、意外にもそれだけでは無かったんですよ。たくさんの患者さんにFTTを実行すると、不思議な現象が現れたのです。
以下の図を見てください。」



左右ZMPのスペクトルです。左が男性のスペクトル、右が女性のスペクトルです。

「男性の場合、足踏み周期と同じ約1Hzの部分にピーク値が見られますが、女性の場合その5倍、つまり5Hz付近にピークが見られます。
なぜか多くの女性がこのようなスペクトルで、男性にはほとんど発生しません。」

「これはちょっと不思議と言うか面白い・・・?」

「実はこの件で、先日ある大学の先生(ロボット工学)が来て下さいました。」

「えっ・・・こんなボロ治療院に・・・?」

「一言余計です・・・
先生のお話では骨盤に関係が有りそうだと言われていました。女性は男性よりも複雑な動き(お尻りフリフリ)の動作があるのでは?
という事です。
そのためこのようなスペクトルが検出された場合、股関節の緩みや痛みをチェックして下さい。とのアドバイスもいただきました。」

「それは良かったね」

「そうです。そこで女性の左右ZMPのデータを良く調べてみました。まだ正確ではありませんが、意外なことが分かってきました。」

「それは何だい?」

「少々お待ちください」



身体の重心バランス!リサージュ図形で解明せよ!

2009-08-26 14:44:26 | 整体のできる技術士として
前回からの続き。
ここから先は先生のご指導により、特許出願中です。

患者さんの重心位置(丹田)部分に発生した、足踏み時の加速度をZMP(ゼロモーメントポイント)に変換。
積分による誤差の影響を考えずに、変位に変換する事を実施。

その結果患者さんの床面重心バランス(ZMP)が、時系列波形となって表現されました。

しかしこれでもまだ患者さんに理解しやすいとは、全く言えません。
「どうするか?」

その時ふっと、振動工学で使用されている、リサージュ図形を思い出しました。
リサージュ図形とは、X軸に発生した振動波形と、Y軸に発生した振動波形を一つの平面で表す方法です。
前後のZMPX(t)と左右のZMPY(t)をリサージュ図形で表すと・・・・



のようになりました。
画面では左手方向が前方、上方向が右重心バランスになります。
この図はやや後重心バランスになっています。
これで少しは患者さんにも分かりやすくなったと思います。



上の図は左股関節痛と左坐骨神経痛をお持ちの患者さんのリサージュ図形です。
患部の左足で重心が支えられず、バランスが右に偏り、さらに姿勢がよじれている事が確認できます。



これは慢性腰痛の患者さんのリサージュ図形です。
重心が後に大きく移動していて、常に腰部に負担がかかっている状態と推定できます。

「何とかここまでやりました。」

「ほ~ここまでやったのは大したものだ!これで患者さんの重心移動や、姿勢変化がある程度分かるようになったんだな。」

「そうですね。」

「しかしこれだけじゃ・・・まだイマイチだな・・・・もう少し科学的に分析できないか?」

「分かりました。やってみましょう。」

「おう、何か策があるみたいだな。」

「はい」