ロボット技術を応用して整体!篠崎技術士事務所の日記

身体の状態をコンピュータ解析し、骨盤矯正やギックリ腰などを科学的に分析する新しい整体院です。

各足踏み運動時のZMP(ゼロモーメントポイント)

2009-11-22 10:55:35 | 整体のできる技術士として
前回からの続き

「お待たせしました。」

「待ちくたびれたぞ!」

「すみません・・・・今回は実験で確認するため、もう一度私の動作を計測してみました。」

「どんな動作を計測したんだ?」

「普通に足踏み、右足を強く踏み込む、右足がガクッとなる、右足を上げたとき腰を捻る・・・以上4種類です。」

「それが以下のデータだな?」

「そうです。まずは標準の足踏みZMPとスペクトルです。」



「これがお前のZMPリサージュ図形か・・・あまり良い形じゃないな~そう言えばお前も腰痛持ちだったな!」

「その話はさておき、今度は右足を強く踏み込んでみました。要は左側に大きな加速度が発生させました。



「左側に加速度が大きく発生したため、ZMPは右側に大きく変化します。よって右足が前に出たようなZMPになりました。」

「スペクトルも前後に変化があるな・・・つまり前後周期の1/2の位置にピークが発生している。」

「そして次が右足がガクッ・・・・つまり右足を痛め、ビッコを引いた状態です。」



「右足がガクッとなるので、加速度が下に働き、右側のZMP位置が小さくなったと推定できます。痛みを取り除く整体が必要です。」

「それで右足が後ろに下がった感じになっているんだな。しかしこれは左足を強く踏み込んだ状態に間違えやすいな・・・」

「そうです。そこで必要になるのがスペクトルです。」

「前後周期の1/2のピーク点が大きくなっているな・・・これが違いか・・・しかし間違えやすいな・・・気をつけないと。」

「そうですね。この点は問診と動画画像を見て判断してゆきたいと思います。」

「次は何だ?」

「これで今回は最後になります。右足を上げたとき、腰を内側に捻ってみたのです。それが以下のデータです。」



「このZMPリサージュはよく見かけるな・・・」

「そうなんです。このような動作をしている方こそ、腰のねじれをとる整体が必要なのかもしれません。」

「まだまだ分かりにくいが、この調子で診断を続けていけば、何か見えてきそうだな・・・今後の課題は?」

「ZMPをより詳しく吟味するため、フーリエ逆変換を使ってみて、それぞれの波形が身体にどのような影響を与えているか分析する予定です。」

「道は遠そうだな・・・」

「しかしがんばります。今回のデータを生かし、患者さんの診断結果もご紹介してゆきます。」



ZMP(ゼロモーメントポイント)の誤診

2009-11-18 15:10:42 | 整体のできる技術士として
「先日坐骨神経痛の患者さんの足踏み時ZMPを計測しました。ZMPが整体前と整体後、どのように変化するか調べるためです。」

「どんな結果になった?」

「下のリサージュ図形をご覧下さい。右が整体前、左が整体後です。」



「何だ・・・ほとんど変わってないじゃないか・・・左足と右足の着地点もズレたままだし、捩れた動作ということだな・・・」

「先輩!そこなんです。右足と左足の着地点がズレている・・・今までこれを腰の捩れた動作!として扱ってきました。」

「その考え方は間違っていたのか?」

「実はそうなんです。それが今回のお話の課題なんです。」

「どう言う事か詳しく説明してくれ!」

「ロボット工学で扱うZMPは、身体重心位置に発生する加速度をベクトルで考え、そこから床面重心位置に変換する便利な方法です。前後左右のZMP波形をリサージュ図形で表せば、患者さんにも分かりやすくなります。」

「確かにその通りだ・・・素人の俺にも分かりやすい・・・・」

「先日このZMPをもう一度考え直し、運動方程式をたててみました。つまりZMPの変化は加速度に影響しているということです。」

「つまり身体から発生する加速度が大きければ、ZMPは大きくなる・・・・当たり前だ!そんなの今更・・・・」

「そこで間違いが見つかったんです。リサージュ図形において右足着地点が前、左足着地点が後ろとなっていると、いかにも腰を捻った動作に見えてしまいます。しかしこれは実際左右の加速度の違いにより、発生したものなのです。」

「そうか!つまり左右の着地時に違いがある。つまり強く踏み込めば加速度は大きくなりZMPも大きくなる。左右の動作がアンバランス・・・という事になるか・・・」

「私もそう思うんです。」

「しかし今までログで随分発表してしまったな~」

「だから少しずつ訂正してゆきたいんです。私のログなんか、誰も真剣に見えてはしません。今のうちですね。」

「でっどうするんだ?」

「私自身の足踏みZMPを様々な条件で計測してみたんです。やはり思った通りの結果になりました。」

「その結果、早く見せろ!」

「少々お待ちください。」



産後の骨盤ひずみのZMP(ゼロモーメントポイント)

2009-11-11 16:58:09 | 整体のできる技術士として
「先日産後の腰痛に悩む患者さんが、来られました。」

「産後に骨盤がゆがむ!というやつだな。今結構話題になっている。ZMPで分かりそうだな。」

「そうですね。早速その患者さんのZMPを計測してみました。」

「早く見たい。」

「以下の図を見てください。」



「これは~・・・・素人の俺が見てもおかしいと思う状態だ!」

「そうです。こんな重心バランスでは、腰は決して良くなりません。まず左右の着地位置がずれています。」

「要は腰が捩れているという事か・・・この動作では腰痛は治らないと思うな・・・」

「そうです。この動作が腰痛を誘発していると考えられます。」

「それに前後に移動量が大きい・・・これは腰部椎間板に負荷がかかっている可能性があるな。」

「先輩!ずいぶん慣れてきました。私の言うことが無くなってきます。」

「いや~こんなの見れば、誰にでも分かる」

「そうですよ。ZMPは専門外の患者さんにも分かりやすく説明できるのです。だから採用したんです。」

「ZMPは患者さんの評判が良かったな~」

「ところでこの患者さんの治療ですが、とりあえずこのZMPを見ていただき、生活習慣に注意するようお伝えしました。」

「後は指圧で痛みを取り除き、腰を矯正する整体を実施・・・・めでたしめでたし・・・か?」

「そんなにうまくは行きませんよ・・・・姿勢ひずみと違い、運動ひずみを改善するのは大変です。」



ぎっくり腰のZMP(ゼロモーメントポイント)

2009-11-07 09:46:39 | 整体のできる技術士として
「オッス!」

「あっ先輩!お帰りなさい。」

「ログの調子はどうだ?コメントやアドバイスは少しはあったか?」

「いいえ・・・ぜんぜん・・・」

「あれ?なんだ!全然更新してないじゃないか!」

「はぁ~体調が今一つで・・・新型インフルも流行しているようだし・・・」

「言い訳はいい!早く話を始めろ!」

「常連の患者さんが先日お見えになりました。お身内で不幸がありとても忙しく、その結果ぎっくり腰になった!との事でした。」

「早速ZMP(ゼロモーメントポイント)を計測したんだな。」

「そうです。下の図をご覧下さい。左側がいつもの慢性腰痛時ZMPです。右がぎっくり腰を起こしたときのZMPです。」



「同じ人なのに違いがあるな。」

「そうです。通常の慢性腰痛時はZMPを見ても、前後左右がきれいな形になっています。しかしぎっくり腰を起こすと、強い痛みのため、後方に体重移動できず、重心が前後に集中しています。」

「そうか・・・この画像を見ると前方に重心が集中し、しかも前重心のまま左右に振れが出ている、と言うことは股関節や膝にも大きな影響が出るということだな?」

「先輩!だんだん慣れてきましたね。その調子でコメントお願いします。その後整体治療を実施したところ、次の図のようにう改善されました。」



「おう!かなり形が変わったな!」

「そうですね。腰痛も改善され、元気になってお帰りになりました。」

「ZMPでの診断効果かな?」

「そう思いたいですね。今後もコメントお願いします。次回は産後の慢性腰痛のZMPをご紹介します。」